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室蘭民報

永澤機械がMRJ向け部品受注、独自の深穴加工法開発【室蘭】

非常に困難な深穴加工用に自作した旋盤用の工具

 機械部品加工の永澤機械(室蘭市東町、永澤優代表取締役)が、三菱航空機のMRJ向け部品製造を受注した。道内では官民挙げて航空機産業の育成を目指すが、MRJ向けの受注は初めて。アルミ合金製の部品で、2月中旬の納品を計画する。極めて高度な「深穴加工」に成功、受注に結び付けた。

 北海道経済産業局によると、航空機メーカーへの部品供給は、秘密保持契約がありすべてを把握することは難しいが、道内企業による民間航空機向けの部品供給自体「現時点で聞いたことがない」という。

 MRJは三菱リージョナルジェット(小型旅客機)の略。「YS―11」以来、約50年ぶりとなる国産旅客機として、短距離路線向け小型旅客機市場への参入を掲げ、2020年度の初号機納入を予定している。

 機体を構成するのは約100万点の部品だが、うち7割が海外からの調達というのが現状で、遅れる日本の航空機産業のけん引役としても、期待されている。

 全国の中小企業を結び付けて航空機部品を一貫生産しているジャパン・エアロ・ネットワーク(JAN、大阪)から受注した。室蘭市や道経産局の支援も受け、16年から同社とのパイプを築いてきた。

 JANの五十嵐健COOによると、製造中の部品は「世界的にみても製造できる技術力を持った企業が少ない」深穴加工部品で、発注先を探していた。

 円柱状のアルミ合金(直径13センチ、長さ80センチ)の内部を貫通させず、深く正確にくり抜く技術が要求された。深い部分になるほど旋盤工具にぶれが生じ「仕上げ肌」が難しく、内径が8センチと「狭い」のも難点だった。

 設計に対応した旋盤工具が「世の中にない」(永澤社長)ため、永澤機械自身が工具を自作した。ぶれを抑える加工法も開発し試作に成功、受注に至った。

 航空機部品の国際認証となるJISQ9100の取得目標も「年内」に前倒しする構えだ。

 MRJ量産に向けた体制づくりを開始した永澤社長は「技術の自動化や設備投資、経費圧縮などの課題はありますが、チャンスを次につなげていきたい」と話している。

ものづくり室蘭の新たな一歩

 【解説】道経産局は今回の受注の意義について「北海道の中小企業にとっては非常に画期的。将来的にどのくらいの規模になるかは分からないが、航空機産業の入り口に立ったのは間違いない」と説明した。

 高い生産技術、工程管理、品質保証、国際認証取得、設備投資―。中小企業にとって航空機産業参入のハードルは「非常に高い」といわれる。

 市内で参入を目指す複数の企業も、自社が担いうる航空機の分野や市場の将来性を見通せず、期待と不安を抱えながら、情報収集を進めている段階だ。

 同業に一目置かれる永澤機械でさえ、技術に自信を持ちながらも、いくつかの不安や既存業務とのバランスを考慮し、今回の依頼を「一度は断った」という。

 それでも五十嵐COOなどから励ましを受け、前向きな経営判断を下した同社の姿勢は「ものづくり室蘭」の新たな一歩であり、中小の仲間たちに大きな刺激を与えるだろう。

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