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苫小牧民報

寺社再建めど立たず 地震で被災-胆振東部3町

胆振東部地震で損壊したむかわ町の法城寺の鐘楼堂。再建の見通しは立っていない

 胆振東部地震で被災した厚真、安平、むかわ各町の寺社の復旧が立ち遅れている。本堂など建物や設備が損壊したものの、政教分離の原則で公的支援が受けられず、頼みの檀家(だんか)や氏子も被災して寄付集めがままならないからだ。地震発生から半年たっても、再建のめどが立たない寺社もある。

 「これからどうするか。不安と向き合っていかないといけない」。むかわ町大原の法城寺の舛田那由他住職(38)は顔を曇らせながら、そう話した。

 同町で震度6強を観測した昨年9月の地震で本堂と鐘楼堂がひどく損壊。約100基ある境内の墓石も7割ほどが倒れた。本堂は自己資金や義援金などで約1500万円を捻出し、昨年11月から復旧工事を行ったが、約4000万円も掛かる鐘楼堂再建のめどは立っていない。胆振東部地震の余震とみられる2月21日の震度5弱の地震で、直したばかりの本堂にも新たな被害が出た。

 多額な工費をどう確保するか、舛田住職の苦悩は尽きない。公的資金が得られず、同じく被災した檀家にも重い負担を掛けられない中、先行き不安を募らせている。

 厚真町軽舞の正楽寺は昨年9月の地震で、1913(大正2)年建造の歴史ある本堂が60センチほどずれ、納骨堂も地盤沈下で傾く被害に遭った。本堂は内部にワイヤーを張り、ずれの広がりを防ぐ応急処置を取ったものの、建物外側の修復だけで8000万円ほど掛かる見込みだ。

 納骨堂は倒壊の可能性があるため、遺族に遺骨を保管してもらい、建て替えを考えているが、費用の確保に悩むばかり。金光朋充住職(58)は「地域の葬儀として多くの人に利用されている。できる限り早く再建の計画を立てたい」と話し、今は宗派上部組織からの共済金を待っているところだという。

 安平町早来大町の早来神社も、社殿の一部や鳥居、例大祭の道具を保管する祭具庫などが損壊したが、費用面から復旧が進んでいない。復旧に社殿で1800万円、全体では3000万円以上掛かる見通しで、同神社は復興再建事業奉賛会を組織し、今月から氏子に支援協力を求めていきたいという。

 毎年の例大祭では境内の土俵で奉納こども会相撲大会を開くなど、地域と歩み、親しまれてきた存在。住民の心のよりどころでもある。高橋晴昭宮司(70)は「地域全体が被災したが、多くの人の支えで次代に神社の姿を残したい」と話した。

 胆振総合振興局によると、胆振東部3町で宗教法人としての届け出は寺20カ所、神社11カ所、教会1カ所、その他6カ所。いずれも被災したが、道復興支援室は「政教分離の原則で宗教施設に対する支援は行っていない」と説明する。しかし、3町の寺社関係者からは「政教分離と災害支援を同一視するのはどうかと思う」「これだけの震災に遭ったのに公的支援が何もないのはおかしい」との声も上がる。

 熊本県では2016年の熊本地震後、地域コミュニティ施設等再建支援事業の名目で一定の条件を満たす場合、寺社の施設や石碑などの復旧に上限1000万円の補助を認めている。寺社が持つ地域コミュニティーの場としての機能に目を向けた取り組みで、同県教育委員会文化課によると、今月5日までの申請件数は861件に上り、「ほこらなどの再建に利用されている」と言う。

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