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室蘭民報

地域医療連携・再編等推進協が中間報告を公表【室蘭】

 室蘭市内3病院(市立室蘭総合、製鉄記念室蘭、日鋼記念)の将来のあり方を議論する「室蘭市地域医療連携・再編等推進協議会」(会長・青山剛市長)は13日、これまでの議論内容をまとめた「中間とりまとめ(中間報告)」を公表した。第1回室蘭市議会定例会・民生常任委員会(小田中稔委員長、7人)で内容を説明した。事務局の同市では、ホームページでも中間報告を公表する方針だ。

 同協議会は市、3病院の代表、同市医師会、室蘭保健所で構成され、昨年9月から計5回開催。中間報告では①基本的な考え方①将来的にも持続可能な医療提供体制③将来に向けた課題④今後の検討を踏まえた議論の必要性―を明記した。

 また、「将来に向けた課題」のうち、法人統合する場合の「経営形態」では①民間②地方独立法人で運営し、将来的には民間事業者移行も検討③地方独立行政法人④地域医療連携推進法人の設置を目指し、将来的な法人統合を目指す―とした4パターンを示した。

 中間報告では、高度急性期や急性期の拠点病院が「新病院の建設も視野に東室蘭地域に一つ整備する」とも記した。この日の委員会で、市保健福祉部の佐々木隆行次長は「人口動態を踏まえると、東室蘭地域が良い、との認識で一致した」としたが、場所は「具体的には、議論が深まっていない」と強調した。

 その上で、佐々木次長は、新病院を建設する際の地方財政措置なども説明。経営形態が地方独立行政法人では4割程度の補助金が得られる一方、民間事業者では一部が適用されない点―に触れたが、「中間報告に示した経営形態にも関わる話。医療機能確保も認識しながら議論される内容」と述べた。児玉智明委員、砂田尚子委員の質問に答えた。

 児玉委員は、経営形態の議論を深めるには①市立室蘭総合病院のあり方をはっきりとさせるべき②市立室蘭総合病院の赤字の解消と経営について、開設者の市長が考えを示して議論すべき―と追及。佐々木次長は「公的機能やセーフティーネット機能がある。これを民間で担えるのか、公的が賄うのか、別の方策があるのか、議論を深めたい」と述べるにとどまった。

市長の明確な決断不可欠

 【解説】今後は具体的な議論に移る地域医療の再編問題だが、その時期や経営形態、診療機能の強化や再編、公立病院が果たす役割の明確化―など、多くの難題も抱える。これらを解決した上で風土も異なる法人を融合させるには、地域医療連携・再編等推進協議会の会長も兼ねる室蘭市長の明確なリーダーシップと決断が、やはり不可欠だ。

 「3病院が将来的には一つ、との合意が得られたのは一定の成果」(野尻秀一室蘭市医師会長)とされる中間報告。急性期医療を担う中核病院の「新病院の建設も視野に」とも示した。

 地域医療再編の流れに沿って、中核病院を新築した例をみると、官民3病院の機能統合による桑名市総合医療センター(三重県)で総事業費が225億円。こうした多額の費用の捻出のほか、市立室蘭総合病院の債務の扱いも、難題の一つとして、議論の俎上(そじょう)に載せられる問題だ。

 これらの難題に、青山剛市長は「終始受け身」(協議会出席者)。3選を目指す立場を鮮明にしながらも「地域医療の将来を守る」と強調するのみ。その方策などの具体的な考えまでは示していないのが現状だ。

 道内他医療圏には、公立病院運営が厳しい地域もあるが、再編論議が進むのは室蘭だけ。そのリーダーの室蘭市長が難題解決に向けた羅針盤を具体的に示さない限り、「2019年度中をめどにした『基本的な考え方』の取りまとめ」が難しくなるだけでなく、意思統一を図った「将来的には一つ」の合意自体が壊れてしまう可能性も否定できない。

「意義ある合意」評価

 「室蘭市地域医療連携・再編等推進協議会」(会長・青山剛市長)は13日、「中間とりまとめ(中間報告)」を公表した。市内3病院(市立室蘭総合、製鉄記念室蘭、日鋼記念)の将来のあり方を議論した中間報告で「将来的には一つに」と明記されたことを受け、医療関係者は「将来に向けた課題」の解決に向けて議論を深めたい考えだ。

 市立室蘭総合病院の金戸宏行病院事業管理者兼院長は、開会中の市議会定例会の中で、同協議会に臨む基本姿勢と感想を問われた。「地域住民のための医療とそのあり方を考えた時に、各病院が持つ機能と強みを結集した形で進めていくことが議論の要」と強調。「これらを念頭に置き、議論に参加したい」とも述べた。

 製鉄記念室蘭病院の前田征洋病院長は、拠点病院を東室蘭地域に一つ整備する―との内容に「(医療需要などから)大変重要で意義ある合意」と評価。今後は、地域住民への説明と理解を得ることや、地域の他医療機関への影響、地域医療構想との整合性―など、「今後、さらに十分な議論が必要」と指摘する。

 日鋼記念病院を運営する社会医療法人母恋の有賀正理事長は「(今後の)最大公約数を示した案」と説明するが、「各論的には解決すべき問題が多くある」とも指摘。「個人的な考え」とした上で、「各病院が協力し合うマインドを持つことが大切。まずは、小さい部分から共有することが大切だ」とする。

 一方、「3病院や地域との調整役」となる室蘭市医師会の野尻秀一会長は、「3病院が、将来的に一つになる合意が得られた」と評価。蘭西地域の今後の医療提供体制を不安視する声には、「個人的な意見」と前置きした上で、「機能を集約する議論の中で、蘭西地域にも一定の診療機能は守る・確保する、との立場で臨みたい」と話す。

西胆振保健医療福祉の課題、連携話し合う

 保健医療福祉の課題や連携体制などを話し合う「西胆振保健医療福祉圏域連携推進会議」の2018年度(平成30年度)第2回会合と、「西胆振地域医療構想調整会議」の18年度第3回会合が13日夜、室蘭市海岸町の胆振総合振興局で開かれた。

 同推進会議では、室蘭と胆振西部両医師会のほか、室蘭市内3病院(市立室蘭総合、製鉄記念室蘭、日鋼記念)を含む西胆振管内9病院による「医療機関部会」(部会長・野尻秀一室蘭市医師会長)を設置。

 25年度の西胆振管内の病床数について、14年度比約25%(934床)減を掲げた「西胆振地域医療構想」を踏まえ、医療機関の役割分担なども協議している。ただ、これには、室蘭市内3病院の将来のあり方を議論する「室蘭市地域医療連携・再編等推進協議会」の結論も、大きく関わってくる状況だ。

 出席者から「中間とりまとめ(中間報告)」への質問が寄せられたが、野尻部会長は「室蘭市内3病院が集まり、今後、どうするのかを検討している段階」とし、「25年以降、実際にどのような形ができるのか、について今後議論していく段階」と説明した。

 会合には医師や歯科医師、看護師、薬剤師団体、保健福祉行政関係者、同局の保健福祉行政関係者ら計約50人が出席した。

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