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十勝毎日新聞

医療ウィッグ 地髪で若年患者支援 がん経験から決意【士幌】

ヘアドネーションのために長い髪を切った本田さん(右)。左は村澤さん、奥は相良代表

 士幌町のがん経験者本田莉菜(まりな)さん(27)が、がんの告知からちょうど5年の25日に帯広市内の美容室「ヘアーサロンange」(相良恵美代表)で、これまで伸ばし続けた髪を切った。病気や事故などで髪を失った子どもたちに医療用のウィッグを無償で提供するヘアドネーションのためで、切った髪は大阪のNPO法人に送られる予定。

 本田さんは士幌町役場に勤務していた2013年秋に、右側の鎖骨付近に小豆サイズのしこりがあるのを発見。そのときは放置していたが、3カ月後に空豆サイズのしこりも見つけ、クリニックを受診した。複数回の検査を受け、14年3月25日に22歳の若さで悪性リンパ腫の一種「結節硬化型ホジキンリンパ腫」のステージ2と診断された。そのときの心境を「頭が真っ白になった」と振り返る。

 その後、抗がん剤治療をする中で薬の副作用で髪が抜け始め、風が吹くだけで髪の毛が飛んでいく経験もした。あるとき、テレビでヘアドネーションのことを知り、経験者として若年がん患者の支援のため髪を寄付しようと、伸ばすことを決意した。

 治療が終わった14年12月から伸ばし続けた髪は腰の高さまで達した。この日、美容室には入院時代に出会った市内のがん経験者村澤淑予さん(51)も立ち会った。37センチ前後の髪をいくつかの束に分け、本田さんの髪にはさみを入れた。本田さんもはさみを手にし、鏡を見ながら自分の髪を切った。

 angeは子どもたちへの支援として、3年前からヘアドネーションに協賛している。カットを担当した相良代表は「本田さんと話すようになってがんについて勉強になったし、今後もがん患者にもっと深く関わっていきたい」と話した。

 本田さんは「AYA世代」(Adolescent=思春期、YoungAdult=若年成人)のがん経験者として、若い人向けにこれまでの経験を伝える活動を行っている。30歳を一つの区切りとしてそれまでは同様の活動を続けていく考え。また、AYA世代のがん経験者や闘病中のがん患者による支援コミュニティーをつくることも検討している。本田さんは「AYA世代の経験者の立場で、今後も何かできることをしていきたい」と話している。

<AYA世代・あやせだい>
 思春期、若年世代にあたる15~39歳。他世代に比べてがん患者数が少なく、医師などに診療や相談支援の経験が蓄積されにくい。厚労省のがん対策推進基本計画では、小児がん、高齢者のがんと並んでAYA世代の対策が重要な施策として位置付けられている。

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