北海道ニュースリンクは北海道の参加新聞社がニュース・イベントを配信するサイトです

室蘭民報

ウポポイ開設まで1年、国立博物館の進捗率70%【白老】

工事進捗率70%の国立アイヌ民族博物館。年内完成を目指している

鉄骨の組み立てが行われている体験交流ホール

伝統芸能上演プログラムを練習するアイヌ民族文化財団職員

 白老町のポロト湖畔で整備が進められている、アイヌ文化復興のナショナルセンター・象徴空間「ウポポイ」は、北日本初の国立博物館となる国立アイヌ民族博物館が工事進捗(しんちょく)率約70%、体験学習館、慰霊施設はほぼ完成するなど工事は順調に進んでいる。総工費は約200億円。きょう24日で一般公開までちょうど1年。23日、報道機関を対象にした現地説明会が開かれ、象徴空間を運営するアイヌ民族文化財団の現地拠点となっている白老の旧社台小では伝統芸能上演プログラムの練習の様子などが披露された。

 象徴空間の核施設となる国立アイヌ民族博物館は地上3階、延べ床面積約8600平方メートル、間口は約130メートル。外観はポロト湖周囲に広がるすり鉢状の山並みや自然林と緩やかに連続するような形状になる。現在、屋根と外壁の仕上げ作業中。年内完成を目指している。

 500~600人を収容できる体験交流ホールの工事進捗率は約25%。現在、鉄骨の組み立てを行っている。5月下旬から屋根の施工に入る。ステージ背面はガラス張りでポロト湖を望むことができる。修学旅行など団体客が、伝統的食事の試食や木彫り、刺しゅうなどが体験できる体験学習館の工事進捗率は約98%。50人が入れる部屋を8部屋造る。

 来場者を安全・円滑に誘導する象徴空間の入り口となるエントランス棟の工事進捗率は約70%。入場券の販売や飲食・物販、団体客向けのガイダンスなどの機能を持つ。団体ではなく一般来訪者向けの工房の工事進捗率は約70%。内部仕上げを施工中。アイヌの伝統的生活空間が体験できる「伝統的コタン」は、かやぶきのチセ(伝統的家屋)3棟の建設に今後着手する。

 ポロト湖東方の高台に整備される慰霊施設は、アイヌの人々の遺骨、副葬品などを収容する墓所となる建物の工事進捗率が約95%。外壁にはアイヌ民族の墓標をイメージした装飾が施されている。慰霊行事を行う施設は既に完成している。

 戸田安彦町長は「ウポポイは白老だけのものではなく、全国のアイヌの人たちの文化復興の拠点として整備されるものです。本町としても、ウポポイを訪れた人たちに満足いただけるよう白老駅、駅とウポポイをつなげる自由通路やインフォメーション、宿泊、飲食、物販施設を有する駅北観光商業ゾーンなど周辺整備ほか、おもてなしガイドの育成や体験プログラムの開発など、ソフト面も含めて受け入れ態勢の充実に取り組みます」とのコメントを発表した。

「あと1年」準備着々

展示内容を説明する村木本部長代理

旧社台小で展示物の制作準備が進められている

 民族共生象徴空間「ウポポイ」の開設まであと1年に迫り、公益財団法人アイヌ民族文化財団(中村睦男理事長)の現地拠点を担っている白老の旧社台小では、国立アイヌ民族博物館の展示、公演プログラムなどの準備を進めている。展示物を新たに制作したり、公演で披露する伝統舞踊の習熟に励んだりと、アイヌ文化を国内外に発信する作業が盛んに行われている。

 同博物館は、来年4月に開設される民族共生象徴空間「ウポポイ」の主要施設。同法人が旧社台小を拠点に、伝統芸能の公演プログラムや体験交流、展示内容などの検討を進めている。

 展示内容は固まりつつあり、アイヌ民族の生活様式や文化などを把握できる内容が主眼となっている。マキリと呼ばれる刀は、木のほか動物の骨などを用いており、長さはおおむね10センチ程度。女性用の装身具、酒を用いた儀式に使うイクパスイなどを並べる予定。木の皮や布などを使用した民族衣装は、文様により作られた地域が把握できる内容だ。このほか伝統的なござ、アイヌ文様を施した彫り物や刺しゅうなど、同博物館を飾るディスプレー用の展示物を急ピッチで準備している。

 ステージで披露する舞踊公演の準備も行われている。舞台の大きさは16メートル四方。1公演当たり40分を予定している。旧社台小体育館では、舞台上を想定してスタッフが踊りの動作を確認。映像が残っている伝統舞踊を参考にしているほか、音声のみの場合は、受け継がれている踊りをベースとしながらも、独創性を加えた新旧織り交ぜた内容を想定している。

 同財団民族共生象徴空間運営本部の村木美幸本部長代理は23日、「それぞれの地域で受け継がれてきた踊りがあり、意見を聞きながら復元していきたい。開設まであと1年となり、しっかり準備を整えていきたい」と話した。

 同博物館では、基本展示室にアイヌの人たちの視点で語る六つのテーマに沿って、過去から現代までを一体的に紹介する。各テーマに対応した「子ども展示」の準備も予定しており、体感的にアイヌ文化を学ぶ仕組みも進める考えだ。

関連記事

函館新聞

ギリヤーク尼ケ崎さん、大門で青空公演【函館】

 函館出身の大道芸人、ギリヤーク尼ケ崎さん(89)による青空舞踊公演「祈りの踊り」が24日、はこだてグリーンプラザ(函館市松風町)で開かれた。津軽三味線奏者の二代目高橋竹山さんと共演し、満身創痍...

函館新聞

ハンドボール欧州遠征へ 巴中加賀谷【函館】

 巴中3年の加賀谷柊斗が、日本ハンドボール協会が将来の日本代表候補を育てる「ナショナルトレーニングアカデミー(NTA)」の欧州遠征(25日~9月2日、ハンガリー)に参加する。中高生を対象にした男...

根室新聞

歯舞漁協 衛生管理型市場に着工【根室】

 歯舞漁協(小倉啓一組合長)は23日、衛生管理型市場と事務所の建設工事に向けた地鎮祭を執り行い、祝詞の奏上、玉串の奉納など神事を行い、工事の安全を祈願した。  新たな施設は、現事務所から東に10...

苫小牧民報

過去最多101組が迫力の演奏 活性の火が開幕

 苫小牧市中心部の活性化を目指して企画された無料音楽フェス「活性の火’19」(実行委員会主催)が24日開幕した。6回目となる今年は市内若草町の中央公園を初のメイン会場に、全2エリアで展開。道内外か...

苫小牧民報

鵡川高野球部元監督・佐藤茂富さん死去 「元気・本気・一気」でセンバツ出場

 鵡川高校野球部の元監督で、砂川北高と合わせて春夏6度の甲子園出場に導いた佐藤茂富さんが19日、腸管感染症のため札幌市内の病院で死去したことが23日、分かった。79歳。葬儀は近親者のみで行ったが...