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函館新聞

土方の温情的側面、佐藤家文書から読み解く 碧血会木村さん【函館】

土方歳三の人物像を伝える箱館戦争時のエピソードを検証した報告書をまとめた木村さん

 函館碧血会役員で郷土史家の木村裕俊さん(71)が、土方歳三の義兄、佐藤彦五郎家に伝わる文書などを読み解き、箱館戦争(1868~69年)における土方の「松前藩への温情的措置」について考察をまとめた。佐藤家には土方が松前藩主夫人を保護したという話が伝わっており、木村さんは「土方の実像を研究する一つの物語になる」と話している。

 木村さんは、東京・日野市の「佐藤彦五郎・新選組資料館」の佐藤福子館長から佐藤家に伝わる話について道南側からの裏付けを依頼され、報告書「『佐藤家文書』からみる箱館戦争-土方歳三の松前藩との戦い-」としてまとめた。

 松前城の戦いは、1868(明治元)年11月5日(旧暦)、松前城下に到着した土方隊と松前藩による戦闘。当時の藩主・松前徳広は同10月28日に厚沢部・館城に主力を移した後だった。佐藤家には城下の農家に避難していた藩主夫人を土方が保護して、江戸に送り届けさせ、さらに希望した藩士も解放したという話が伝わっているという。

 佐藤家文書のうち、彦五郎の子が佐藤家に残る文書の散逸を防ぐために残した「今昔備忘記」には、彦五郎が松前家当主で子爵・修広にあてた書簡でこの「藩主夫人保護」に言及し、土方の「義」を強調した内容となっている。

 書簡が書かれた背景として、彦五郎による土方と新選組局長近藤勇の顕彰碑建立を挙げる。明治政府が74(同7)年に旧幕府軍戦死者の祭祀を許したことを受けて、函館では榎本武揚らの尽力もあって75(同8)年に碧血碑が建立されたが、土方らの碑の建立許可が下りたのは82(同15)年、日野の金剛寺に「殉節両雄之碑」が建てられたのは88(同21)年になってからだったという。

 彦五郎は建立が進まない状況を打破するために松前家当主の後ろ盾を得ようと書いたとみられ、実際に松前家に送付されることはなかった。木村さんは「旧藩主の許しがあれば実現できるのではと考えて用意したのではないか」と話す。

 一方で、藩主夫人が徳広の正室を指しているのかといった疑問や、彦五郎の書簡の内容が、修広と幼くして亡くなった弟の敬広を混同している可能性などにも言及。土方の肖像写真などを日野に届けた市村鉄之助の話が基になったとみられる佐藤家の伝承と、松前や江差町史などとの差異もあることから、物語の形成過程を調べる必要があるとした。

 こうした土方の温情的な人物像を伝える話について、木村さんは「京都時代の土方は非常に厳しい人物として伝わるが、箱館では既に大幹部でもあり、広い視野で物事を考えられるようになっていたのだろう」としている。

 報告書の内容は、碧血会の会報で公表予定という。

 ◇函館碧血会(大谷長道会長)は25日午後2時から、碧血碑前で碑前慰霊祭を執り行う。希望者は直接会場へ。問い合わせは木村さん(0138・55・0384)へ。

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