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室蘭民報

試される航路、宮蘭フェリー就航1年(中)【室蘭・宮古】

高規格「三陸沿岸道路」・全面開通は来年度予定

 「三陸沿岸地域の産業振興に大きく寄与すると確信している」。岩手県の達増拓也知事が期待を寄せるのは、22日午後の県沿岸を縦貫する高規格道路「三陸沿岸道路」の大槌IC―釜石北IC(4・8キロ)区間の開通だ。宮古以南の県内ルートが全通することになり、物流効率化や観光の利便性向上が見込まれる。

 県初の定期フェリーである宮蘭航路の就航1年目は、好調な旅客とは対照的に貨物が苦戦を強いられた。理由はさまざまだが、沿岸部の道路高規格化が見通しよりも遅れていることも大きな要因の一つだ。

 宮蘭航路の開設は、労働基準法改定により、運送事業者に対するトラックドライバーの労務管理基準の厳格化が背景にある。連続8時間以上の休息時間確保に最適な中長距離航路が求められていた。航路開設を決めた川崎近海汽船を後押ししたのが、国直轄事業で進む三陸沿岸道路の整備だった。

 三陸沿岸道は、青森県八戸市から宮城県仙台市まで、沿岸部を縦貫する総延長359キロの自動車専用道路(一部地域高規格道路)。一般道で7時間半かかる距離を3時間短縮し、4時間半を切る計画。沿岸地域の早期復興を図る復興道路として、急ピッチで整備が進んでいる。

 室蘭との航路が走る宮古は、三陸沿岸道のちょうど中間に位置する。沿岸道の全線開通で、宮古から終点の仙台まで約5時間の道のりは3時間に短縮される。運送事業者が求める「安く早く運べるルート」に、無料の三陸沿岸道が選ばれる見通しだった。

 しかし、実際は昨年6月の就航時点で沿岸道の整備進ちょくは6割程度で、宮古から仙台方面に南下するルートも部分的な開通にとどまった。主要貨物として想定された家畜輸送は、積み荷の活牛にストレスを与えることから敬遠され、実績は当初の計画を下回った。

 川崎近海汽船は、室蘭から宮古への南下便に八戸寄港を加えるテコ入れで事態の打開を図った。一定の効果は出ているが、物流関係者からは利用率の向上には道路整備の進ちょくが必要との声が根強い。

 今年に入って沿岸道の開通状況は加速している。1月に山田南―大槌間(8・0キロ)、3月に釜石両石―釜石南間(釜石JCT経由14・6キロ)と続き、22日の大槌―釜石北間の開通で宮古から気仙沼がノンストップでつながる。輸送時間の短縮や、内陸部を結ぶ高速道路とのアクセス向上で周遊性も高まる。

 ただ、気仙沼以南の仙台までは橋りょうの架設工事などが残り、宮古以北も含めた全面開通は20年度の予定。宮蘭航路の実力が発揮されるにはもう少し時間が必要だ。

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