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室蘭民報

絆の航跡―宮古から室蘭見つめて(2)【室蘭・宮古】

「室蘭の皆さんと本当の『家族』にならなければ」と笑顔を見せる赤沼会長

宮古市町内自治会連合会・赤沼利彦会長

防災の取り組み転機、災害への備え 情報共有大切

 「フェリーでつながった室蘭の皆さんと本当の『家族』にならなければいけない」

 宮古市町内自治会連合会の赤沼利彦会長(72)は、宮蘭フェリー就航前の2017年から続く関係強化に決意を新たにした。

 就航1周年は「始まりの場所」の宮古港フェリーターミナルで喜びを味わった。「ようこそみやこへ」の横断幕を自治会関係者とともに持ち、下船者を出迎えた。

 宮古側は岩手県初、室蘭側は過去の民間交流の失敗から、双方の思いを深める取り組みを進めている。「宮古と室蘭の縁は深い。室蘭は4度訪れており、訪問時にはおいしい野菜と市民の人柄がとても印象に残りました」。感慨深く語った。

 ターニングポイントとなったのは宮古で注目が高まる「防災」の取り組みだ。16年8月の台風10号、18年9月の胆振東部地震時には室蘭市町内会連合会との相互連絡を取り合った。「曲折があるからこそ関係は強固になる」。

 防災の最前線として消防団で活躍した経験から、消防庁のアドバイザー、岩手県地域防災サポーターとして活躍する。室蘭での防災講演時には経験を存分に生かした。「災害の備えは情報。宮古と室蘭の両市民がその内容を共有することが大切」と強調する。

 17年6月に住民主体の地域自治組織の中に「室蘭交流合同連絡会」を設立した。宮古市担当者の機転もあり、室蘭訪問がかなった。関係者の温かい拍手で迎えられる中、東日本大震災の被災状況などを伝えた。夜には「懇親会」で地酒の杯を傾けて笑顔を広げた。

 「この情熱を絶やさないように」との気持ちは強い。18年11月に室蘭市町内会連合会の関係者が宮古を訪れた。最終日にはフェリーターミナルで「ありがとう」の横断幕を掲げ「お互いの姿が見えなくなるまで」手を振り、見送った。

 「震災の生の情報を伝えることができた。人の縁というものはとても不思議。室蘭市町連の沼田俊治会長とは同じ『沼』の共通点でつながっており、個人的に親近感を持っています」。柔和な笑顔を見せた。

 宮蘭の「民間交流」は道半ば。フェリーよりも1年早く2地域はコミュニティー形成に取り組んできた。住民の自治組織がスクラムを組むことで、多くの相乗効果が生まれると自負する。

 「物理的な距離は関係ない。約333キロ(宮古―室蘭間)なんてすぐそばですよ」

(2019年6月26日掲載)

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