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室蘭民報

絆の航跡―宮古から室蘭見つめて(4)【室蘭・宮古】

就航1周年記念イベントで宮古市の特産品を振る舞い「少しずつ交流を増やしたい」と笑顔を見せる花坂代表

宮古観光創生研究会・花坂雄大代表

市民交流に思い強く、復興目指し「若い力」結集

 「これからは観光を中心に市民間交流を進めなければいけない」

 宮古観光創生研究会代表の花坂雄大さん(37)は、就航1周年を迎えた宮古港フェリーターミナルから見える青空を眺めながら、室蘭に思いをはせた。

 同研究会は2015年(平成27年)11月発足。岩手県宮古市で観光をテーマに復興を目指す有志の集まりが、精力的な活動を続ける。関わるのは40人ほどで平均年齢は31歳。行政主導ではなく、「知り合いが知り合いを連れてくる」横のつながりによる組織づくりを進める。

 経営者、行政・金融機関職員などさまざまな業種で活躍する「働き盛り」の若者が日々、宮古の盛り上げに知恵を絞る。花坂さんは宮古で100年以上続く印刷会社の5代目。高校を卒業し、仙台や盛岡で生活してきたが、家業を継ぐため地元に戻った。

 研究会の前身の読書会で東京一極集中を問題視する元岩手県知事の増田寛也さんの著書「地方消滅」を読み、「予測通りに動いている。すごく寂しいな―と。希望がないように見えた」。その中で東日本大震災が発生した。

 市役所の隣にある事務所と印刷所を兼ねる会社は津波で全壊した。再建した事務所は17年の台風10号で1階が浸水、2次被害を経験。この時ばかりは自然を恨んだ。事業を辞めるか、継続するか悩むこともあった。

 「復興に関しては軽々しく言葉にできない」。人によって課題が違うからだ。それでも事業を「続けたい」との気持ちは強かった。思いが高まるにつれて「会社と地域」の重要性を再確認した。「ポジティブに考えるようにしました」

 宮古と室蘭を結ぶ定期フェリー航路就航、三陸縦貫道開通。「大きな交通インフラの変化に立ち会えたのはありがたい」と喜んだ。室蘭も訪れ、さまざまな人と交流を深めた。「もっと室蘭と仲良くなりたい」。気持ちは高まる。

 就航1周年に合わせて宮古港フェリーターミナルで開催された記念イベントで、マダラのフライとポテトを振る舞い、室蘭市民と交流。被災地の復興を目指して結集した若者たちの中心にいる花坂さん。8月には札幌での宮蘭航路PRも計画し、「東北への外国人誘客に頑張りたい」と意気込む。

 「いきなり大きなことを企画するのではなく、少しずつ少しずつ交流を増やしたい」。具体的なテーマを掘り起こす「行動者」として、室蘭とのつながりの大切さをかみ締めている。

(2019年7月3日掲載)

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