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根室新聞

色丹島で発見 繰り返し津波の痕跡か=専門家訪問団【根室】

色丹島で調査を行う専門家ら=訪問団提供

 色丹島で調査を行っていた地震津波専門家交流の訪問団が15日、根室港に戻った。帰港後の記者会見では、30地点で詳しい地層の観察作業を行い、巨大地震の痕跡とみられる津波堆積物候補を確認したことを報告した。

 地震津波専門家交流では平成27年から30年まで、ロシア側研究者と共同で国後島の津波堆積物調査を実施してきた。日本側が参加した色丹島での本格的な津波堆積物調査は、今回が初めてとなった。

 調査は色丹島の地震・津波履歴の解明のため、調査適地を選定し、津波堆積物や年代を推定するための火山灰の分布の把握、それらのデータをもとにした十勝~根室、国後島の津波堆積物との対比、平成6年北海道東方沖地震による津波堆積物の有無の確認を目的に行われた。

 日本側からは北海道大学西村裕一准教授を団長に、新潟大学の高清水康博准教授、ふじのくに地球環境史ミュージアムの菅原大助教授、北海道大学の石澤尭史非常勤研究員の4人のほか、ロシア側から色丹島地球物理観測所のアレキサンダー・シーシキンさんが参加した。

 一行は5日に根室を出発。6日に色丹島へ上陸して、ホロベツ、穴澗、マタコタン、チボイ、イネモシリの5地域で調査を実施し、15日に根室港に帰港した。

 帰港後に千島会館で行われた記者会見には地震火山専門家4人が参加した。会見では5地域の30地点で詳しい地層の観察作業を行い、試料79個を採取。6日、10日、11日、13日の4日間にわたり重点的に調査したイネモシリでは、幅100メートル、長さ600メートルの緩やかな斜面に発達した湿原で、最大6層の津波堆積物候補と、最大4層の火山灰を内陸約530メートルまで確認したことが報告された。

 また、7日と12日に調査を行ったホロベツのホロベツ川沿いの谷では、海岸から約350メートル付近まで分布する津波堆積物候補を1層、最大3層の火山灰を確認した。今年度の調査地では、東方沖地震による津波堆積物は確認されなかった。

 西村団長は今後につて、「色丹島での調査を継続したい」と話し、課題として、今年度の調査地点や未調査の色丹島の西半分の津波堆積物と火山灰の分布の把握、国後島と色丹島から採取したサンプルを分析し、十勝~根室、国後島、色丹島の津波堆積物の対比を行い、得られた知見を千島海溝沿いで発生する巨大地震の長期予測のための基礎資料として提供するほか、国後島と色丹島の住民を対象とした地震津波に関する防災集会の開催を挙げた。

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