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室蘭民報

室蘭市と宮古市が災害時相互支援で協定、フェリー活用【室蘭】

室蘭、宮古の両市議会議長が立ち会い、協定書を交わす青山市長と山本市長(右から2人目)

 昨年就航した定期フェリーで結ばれた室蘭市と岩手県宮古市が20日、災害時の相互応援や協力に関する協定を結んだ。海上インフラを最大限生かし、災害発生時に速やかに人や物資の応援を要請・派遣するほか、避難所の設置や観光対策などで協力する。

 全国で地震や台風による災害が相次ぎ、室蘭でも胆振東部地震で長期間停電したことなど緊急性が高まっていることから、室蘭と宮古の連携が決まった。胆振東部地震時には宮古からフェリーを活用し、物資支援などの援助を受けた経緯がある。

 協定は、さらに迅速に互いが支援に動くことができるようにとの狙いで、災害支援に宮蘭フェリー航路の活用を盛り込む。

 緊急時の応援要請の手続きや物資、機材提供、応援職員派遣内容を定める。平常時から災害対応について情報を共有し、市民対象のセミナー開催など防災力向上に取り組むことも特徴だ。

 輪西町の市民会館であった調印式には、室蘭市議会の小田中稔議長、宮古市議会の古舘章秀議長が立ち会い、両市民ら約150人が見守る中、青山剛室蘭市長と山本正徳宮古市長が協定書に調印し、協力関係を約束し握手を交わした。

 青山市長は「平時より災害の意識を相互に高め合うことで、いざという時に即応できるよう皆さんの力をいただき、取り組んでいきたい」と期待を込めた。

 山本市長は「協定はわれわれにとって重要なこと。締結を機に有事の際はもとより、平時も互いに助け合う関係を築いてまいりたい。フェリーでつながる隣町として、さざまな分野で交流を図れるよう頑張りたい」と述べた。

室蘭で初 体験型「フェスタ」

 昨年9月6日に発生した胆振東部地震を教訓に、室蘭市が防災意識向上への取り組みを進めている。20日に市主催の体験型イベント「防災フェスタ2019」を初開催した。フェリーでつながった岩手県宮古市と室蘭市が防災協定を締結。災害から身を守るすべを学ぶ講演会、町内会・自治会による炊き出し訓練などを通じ、参加者が自助・共助・公助の重要性を見つめ直した。 (粟田純樹)

堤防決壊実験や炊き出し訓練も

河川堤防決壊実験を見学する防災フェスタ参加者

 防災フェスタは防災知識を高め、地域の防災力の向上を目的に実施。室蘭・宮古両市関係者約150人が訪れた。

 オープニングに合わせ、市防災対策課の土屋欣吾危機管理専門員が非常持ち出し品を用意する重要性を呼び掛け「万が一の際は各自で物資の持参を」と伝えた。

 会場ではポスターセッションが行われ、室蘭市西中学校は宮古市第一中学校との交流の様子を掲示。市、FMびゅー、自衛隊、室蘭ガスが防災ブースを設置。駐車場では燃料電池自動車(FCV)による外部給電体験を実施。土砂災害や洪水などを研究する室蘭工業大学の中津川誠教授が河川堤防決壊実験を行った。

 基調講演した同大の有村幹治准教授(土木計画学)は「今後の方向性として、自助・公助・共助、個人・人・世帯、法人・企業、自治体・行政の関わりを全て掛け算で考える。マネジメントとして減災力を盛り込んだ地域社会を考えることが大切になる」と訴えた。

 昼食に合わせ室蘭市町内会連合会が炊き出し訓練を実施。市立室蘭総合病院管理栄養士の関川由美さんが衛生管理を指導し、耐熱ビニール袋に材料を入れ調理する「パッククッキング」でカレーライス100食分を作った。

 同連合会の沼田俊治会長は「自然災害はいつ起きるか分からない。災害対策を宮古市の皆さんと一緒に取り組んでいきたい」と話した。

宮古から3人視察、室蘭の事例参考に

防災ブースを視察する宮古市の自主防災会関係者

 防災フェスタに合わせ、岩手県宮古市の自主防災組織関係者3人が来蘭した。イベント視察や室蘭市町内会連合会と交流。「室蘭は防災意識が高い」と話すなど、今後の相互交流に意欲を見せた。

 両市の自主防災組織率を高める目的で交流が実現した。若狭斌会長=第20分団管内防災会=、八木惠理子会長=宮古市大通四丁目自主防災会=、山崎一美会長=小山田防災会=が視察。宮古市危機管理課の山田貴之さんが随行した。

 一行は19日フェリーで室蘭に到着し、同連合会関係者と情報交換を実施。20日に室蘭・宮古両市の防災協定締結に立ち会い、防災フェスタ会場を訪れた。

 若狭会長は震災から8年となり「私の住んでいる所は土砂災害の危険があり貴重な体験をさせてもらった。室蘭の防災意識の高さが素晴らしい」と関心していた。

 防災士の八木会長は「三陸沿岸がつながり『笑顔の防潮堤』づくりを進めたいと思っている。室蘭の皆さんとの人と人とのつながりを大切にしたい」と笑顔を見せた。

 山崎会長は炊き出し訓練を実施する予定だったため「自主防災訓練の参加率低下が課題なので室蘭の事例を参考にしたい。良いアイデアを頂きたい」とにこやかに語った。

宮蘭航路に期待、山本宮古市長特別講演

「さまざまな面で交流を深めることが重要」と語る山本宮古市長

 岩手県宮古市の山本正徳市長が特別講演した。両市の防災発展の重要性について、宮蘭フェリー航路が機能を最大限発揮したとして「観光、物資、教育などさまざまな面で交流を深めることが重要」と提言した。

 「宮古市の防災への取り組みと宮蘭航路への期待」をテーマに語った。講演会には市民ら約150人が参加した。

 今年、宮蘭フェリー就航1年を迎えたことに触れ、「室蘭市民の温かい一緒に頑張ろうとの気持ちにとても助けられた。海の道で結ばれ隣町になった縁を大事しないといけない」と永続的な協力関係構築の重要性を指摘した。

 東日本大震災で被災し、復興に向け順調に取り組んでいる経緯を説明。「防潮堤整備を含むソフトとハードの両面で津波から人間の命、財産を守る取り組みを進めている」と強調した。

 市役所新庁舎を含む中心市街地拠点施設「イーストピアみやこ」に防災拠点を集約し、この日の模様をテレビ会議システムを活用し災害対策本部に中継していると説明。「市民にいろいろな手法を通じて情報を伝えている」と紹介した。

 観光面について地層や地形を守り、地域振興や教育に生かす「ジオパーク」の可能性に言及。自身が推進協議会の会長を務めているため、八戸市から気仙沼市まで青森、岩手、宮城3県にまたがる沿岸16市町村がエリアの自然公園「三陸ジオパーク」と、国連教育科学文化機関(ユネスコ)から世界ジオパークに認定されている「洞爺湖有珠山ジオパーク」に触れ、「それぞれ特徴を出し連携していきたい」との考えを示した。

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