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室蘭民報

暮らしを守る「教訓」―胆振東部地震から1年【2】

室蘭市民アンケート(下)

防災意識と行動比例

 アンケートはその後も分析が進められ、地震後の行動と地震前の備えをそれぞれグループ分けすることで、年代や住む地域ごとの防災意識に違いがあることが見えてきた。

■情報を収集

 地震直後に取った行動について「避難や準備するなど何らかの行動をした」「行動しなかった」「情報収集するなど屋内でできる範囲の行動をした」の3グループに分類。同じように、地震前の備えについて「日ごろから備蓄し自宅周辺の避難場所を確認するなど防災意識が高い」「防災意識が低い」「備蓄はしているが防災に関する知識が乏しい」の3グループに分類。その上で、各グループの相関関係を調べた。

 この結果、「防災意識が高い」人ほど地震後、ラジオやテレビをはじめ、会員制交流サイト(SNS)やインターネットなど複数の媒体から情報を集め、電話などで家族や知人の安否を確認したり、実際に避難する人が多かった。

 一方、「防災意識が低い」「備蓄はしているが防災知識が乏しい」人ほど、情報源はラジオに依存し、津波の発生を考えなかったり、情報が出るまで様子見をした傾向が顕著に現れた。

 「防災意識が高い」人は若年―中年層、「防災意識が低い」「防災知識が乏しい」人は高齢層という傾向も見えた。有村准教授は、備蓄はしているが防災知識の乏しい人に防災知識を持たせることが防災力向上の近道として「ハザードマップで自分の住んでいる地域や職場の場所を確認し、いざというときの行動につなげてほしい」と呼び掛ける。さらに「自分が住む地域で過去にどのような災害があったのかを知り、若い世代につないでいく必要がある」とも。防災の授業を参観日に設定し親子で学べる機会の必要性を訴える。

■共助が重要

 災害発生から復旧までの過程では個人や家族の身を守る「自助」、近隣の住民と協力して助け合う「共助」、行政や自治体の復旧対策活動の「公助」の組み合わせによる対応が欠かせない。一方で、人口減少や少子高齢化によって、地域が積極的に防災に取り組むことが難しくなる共助の脆弱化(ぜいじゃくか)が懸念されている。

 胆振東部地震では、函館市の町会組織が、地元の建設業者と独自の協定を結んでいたことで、地震当日の午前中には災害物資を確保できた。有村准教授は、この事例を引き合いに「近隣住民の協力以外に地域の企業や団体との共助こそ重要になる。日ごろから顔が見える関係を構築し、事前協定を結んで支援物資を迅速に確保できるような連携体制の構築が今後強く求められる」と提唱している。

(2019年9月4日掲載)

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