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室蘭民報

暮らしを守る「教訓」―胆振東部地震から1年【4】

胆振東部地震から1年。7年前と今回のブラックアウトを受けて「マチの薬局」でも備えが進む=室蘭市中島町、ツケダ薬局本店

西胆振管内の薬局

過去の経験を生かす

 胆振東部地震では、全道各地で、最大45時間の大規模停電(ブラックアウト)が生じたが、地域医療の一翼を担う西胆振管内の薬局では、「大きな被害も無かった」(道薬剤師会室蘭支部)。過去の経験で得た工夫と、マンパワーを最大限に活用し、影響を最小限に抑えた。と同時に、災害発生時の「マチの薬局」の役割も、改めてクローズアップされる格好になった。

■6割が開局

 北海道薬剤師会は今年5月、胆振東部地震による対応状況についての調査結果を公表した。アンケートに回答した全道1620薬局のうち、66・37%(1050薬局)が、「停電が起きていた時間帯でも開局した」という。

 通電しないことで電話が不通で医療機関や患者などと連絡が取れない、パソコンを動かせないことで電子カルテやレセプト(診療報酬明細書)が確認できない…などの状態となる。また、薬の冷蔵保存や処方にも大きな影響を及ぼす。

 ただ、そのような状況でも、口頭や手書きで処方箋調剤業務に対応したり、一包化(服用時期が同じ薬や1回に何種類かの錠剤を服用する場合、まとめて1袋にすること)や、散薬分包(粉薬を均等に分けて包装すること)などは、昔ながらの手作業で行う―など、「何とか、通常業務に近づけた状況だった」(栗林修常務理事)という。

■次の災害へ

 一方、西胆振管内は、2012年(平成24年)11月の「暴風雪による大停電の経験があった」(道薬剤師会室蘭支部・上田薫支部長)ため、診療を再開しようとする医療機関の動きに早くから呼応。薬局には、続々と薬剤師らが駆け付け、薬物治療を継続・維持する市民への「大きな影響は無かった」(同)という。

 ただ、上田支部長は「真冬の地震によって、全域が停電したならば、深刻な二次災害も起きたのでは」とも指摘。連絡態勢の構築や情報収集などに関して、「臨機応変な対応も必要」。同支部の「災害時対応マニュアル」(08年策定)にも記された「緊急災害対策本部」の効果的な活用をはじめ、〝次の災害〟への備えも加速させる。

 また、同支部の会員(計91薬局)の中には、インターネットが利用できない時に備えた紙ベースでの情報共有や、電子カルテの情報をノートパソコンでも見られるようにする…など、7年前と今回のブラックアウトを踏まえ、個々の備えも強化。医療機関も含めた横の連携も強める。

 ブラックアウトが発生した昨年9月6日。同支部の会員の中には、ミネラルウオーターを無償配布した薬局もあった。また、別の薬局では、処方箋が無くても購入できる一般用医薬品(OTC薬)や、身体を清潔に保つための衛生用品を求める市民の姿もみられた。

 災害時の駆け込み寺―といった向きに、上田支部長は「ニーズに合わせ、しっかりと供給できる態勢と役割を果たすことも重要」と話す。マチの薬局でも、被災時の市民生活を支えるための対応も徐々に進んでいる。

(2019年9月11日掲載)

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