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室蘭民報

室蘭出身ピアニスト・久保さんが国際コンクール連続2位【室蘭】

チェロと二重奏 高評価

欧州の2つのコンクールで2位を受賞したピアニストの久保さん(左)とウィンターソンさんのデュオ

 室蘭出身でドイツ国立フォルクヴァンク芸術大学の修士課程に在籍するピアニスト・久保綾香さん(31)と英国のチェロ奏者のデュオ(二重奏)が、スウェーデン国際デュオコンクールと、イタリアの国際室内楽コンクールで共に2位に入賞した。久保さんは「今後も研さんを重ね、いつか日本でも演奏できたら」と意欲を高めている。

 連続入賞したのはチェロのフレデリック・ウィンターソンさんとのデュオ。

 スウェーデン国際デュオコンクールは同国カントリーネホルム市で8月16~18日に開かれた。

 結成から10カ月。決して練習環境に恵まれたデュオではなかった。久保さんが昨年参加した室内楽講習会で「面白い演奏をする人」と感じ、声を掛けた。ただウィンターソンさんは英国の大学生。週末に実家のあるドイツで過ごすタイミングに集中して音を合わせた。

 デュオは「2人のアンサンブル力が問われる」(久保さん)といい、ピアノとチェロの「対話」を強く意識、選曲にこだわった。本番にベストで臨める調整にも意を注いだ。

 結果は2位。副賞で来年スウェーデンでのコンサートに招かれた。「デュオとして素晴らしく、選曲が良かった」という審査員の言葉に手応えを得た。ソロはピアノと向き合うため聴衆は見えなかった。デュオは演奏中の意思疎通で、客席の反応が見えた。「やっと演奏を楽しめるようになってきた。これまではステージのたび心臓が飛び出しそうな緊張があったが、今回はなかった。やりきった」

 9月3~8日にイタリアのヴェローナ市で開かれたサリエリ・ジネッティ国際室内楽コンクールも同じデュオで臨み、音源審査を通過した20組で1次審査。セミファイナルを経て7組によるファイナルに進出。2位に輝き、来年以降、コンサートが予定され「新しい目標ができた」という。

 久保さんは3歳でピアノを始めた。NHKの歌番組を見て歌って踊る姿を見た母が、久保さんにピアノとバレエを勧めた。

 室蘭のヤマハ音楽教室で表現力を磨く中、国内外の15歳以下を対象に自作曲を演奏するジュニアオリジナルコンサート(JOC)に参加。指導者の勧めもあり小学3年から月1回、札幌に通った。音楽家を志し、芸大を経て身一つでドイツに渡った。

 申し込みは語学学校のみ。本場で音楽を学びたい一心で練習場所、師事者を探した。言葉や文化の違いに戸惑い、精神的にも余裕がなくなってもくじけず、音大大学院の道を切り開いた。負けず嫌いの性格と多くの人の支えで乗り越えた。

 現在デュッセルドルフに住み、国立芸大で学びながら同大の歌手を育成するクラスの伴奏員や、音楽教室の講師として現地の子どもたちの指導にも当たる。

 室蘭を含め日本の子どもたちに伝えたい思いがある。「音楽家になるのは別世界の話ではない」と。自身が幼少期に、どうしたらなれるか知る機会がなかった経験からだ。

 「今既に音楽を習い始めている人、これから始めてみようと思っている人、興味があっても第一歩を踏み出せていない人。そんな思いをもった子どもたちと、日本でのコンサートの機会などに交流できれば」と願い、実績を重ねる日々だ。

くぼ・あやか

 室蘭市出身。室蘭栄高校、京都市立芸術大学を卒業後、ドイツに渡り、ロベルトシューマン音楽大学大学院を首席で卒業。現在ドイツ国立エッセン・フォルクヴァング芸術大学修士課程DUO科(歌曲・器楽)に在籍する。

 主な受賞歴は、大阪国際音楽コンクールエスポアール賞、ドイツ・ノルトライン・ヴェストファーレン州のスタインウェイハウスピアノコンクール1位。第4回国際音楽コンクール「coop music awards」室内楽部門でピアノ、オーボエ、ファゴットのトリオで2位に輝いた。

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