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室蘭民報

「がんと生きる」歌声再び…佐々木さんが半年ぶりにライブ【室蘭】

10月下旬のライブで歌声を届ける佐々木さん(左)=野呂圭一さん撮影

 ステージ4の食道がんの発覚から半年―。室蘭を拠点に活動するアマチュアバンド「SHASHABAND」のボーカルで、がん患者の佐々木裕司さん(47)=洞爺湖町=は、治療に専念しつつも復活ライブを果たした。公私共に充実している中での大病にがく然としながらも、友人や家族が支えとなっている。佐々木さんはがんと共に生きる覚悟を決め、「声が出る限り」と歌った。

 ▼ステージ4

 10月下旬、半年ぶりのライブで、自身ががんであることを公表し、ファンら約40人を前に目を細め笑った。「残された人生。まだまだ音楽を続けていきたい」

 事の始まりは今年3月のライブで、高い声が思い通りに出せず、ひどく落胆したことだ。「何かがおかしい」と耳鼻咽喉科を受診したが、異常は見つからなかった。そのうち症状が悪化。総合病院へ行き、4月下旬、自身がやっとがんであると知った。音楽活動が勢いづき、5月のライブ開催が決まっていた矢先のことだった。

 5月に札幌の病院に入院し精密検査。がんは背骨に転移していた。ステージ4。通常がん治療は完治の可能性が高い「手術」を選ぶが、手術できないまでに進行していた。「体内からがん細胞が完全に消えるのは難しい状態」ということだった。

 あと、どれくらい生きられるのだろうか―。余命を担当医に尋ねた。半年で亡くなる人もいれば、もっと生きる人もいる。答えは「わからない」だった。

 ▼周囲の支え

 すぐに放射線化学療法での治療を開始した。声はかすれ、普通の会話すら難しかった。水を飲むだけで痛みを感じ、薬の副作用で体調は悪かった。自身が弱っていくのを感じた。

 がんと分かった途端、思い描いていた人生が、がらがらと音を立てて崩れていくようだった。しばらく仕事を休むことになり、家族に迷惑を掛けるのも申し訳なかった。一生退院できないかもしれないとの恐怖が頭をよぎる。

 「ふさぎ込んでばかりはいられない」。そう思えたのは、家族やバンド仲間の支えがあったからだ。

 病気を告げた時泣いていた中学2年生の息子も、病室の佐々木さんに宛てた手紙で「絶対治るよ」と伝えた。バンド仲間も病院に駆け付けたり、メッセージ動画を届けてくれたりした。

 ▼復職目指す

 抗がん剤が効き、8月ごろから、入退院を繰り返しながら自宅で過ごせるようになった。9月下旬から声の調子も良くなり始めた。今だ、と言わんばかりに、室蘭市内での10月ライブ開催を決めた。

 「今の自分にできる最善の音楽活動がしたかった」という。バンド仲間は、本調子ではない佐々木さんの声に合わせて、音の高さを調整。佐々木さんがステージに立つと、会場は歓喜の拍手で包まれた。「ライブは自分にとって大切な場所。支えになってくれる人がこんなにいたと、大病を患って気付いたこともあるんです」と語った。

 がんは心の病気だと分かった。病気を考えると不安で胸が苦しくなるが、毎日痛くて苦しんでいるわけではない。

 12月28日にもライブを予定。現在職場への復帰も目指している。「抗がん治療を受けながら仕事をしている人は全国にたくさんいる。がんがあっても上手に付き合い、音楽や仕事ができると分かってもらいたい」

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