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室蘭民報

児童の叫び―向き合う現場―(2)【胆振・日高】

司法面接のため録画・録音機能を備えた相談室

聴取1回、負担軽減

司法面接

 虐待の全容を明らかにするため欠かせない被害児童の証言。だが、児童の供述は一貫性に欠けることもあり、信頼性の担保が課題だった。第三者の目撃証言が乏しい家庭内で、児童が体験した出来事をどのように本人から引き出すのか。近年、捜査段階で定着しつつあるのが「司法面接」だ。聴取の回数を減らし、2次被害を防ぐ新たな手法が室蘭児童相談所でも機能している。

 ■性的虐待対象

 検察、警察、児相の3者が同席する司法面接。2016年(平成28年)以降、全国の児相に普及した。対象となる事案は主に性的虐待。通常10回超にもなる聴取に耐えきれず、訴訟を取り下げる例もあった。このため3者が協力し、聴取の回数を原則1回に抑えて、性被害を受けた児童が何度も詳細を聞かれ、精神的な苦痛を受けるセカンドレイプを防止する。

 司法面接は児童に誘導的な質問をせず、自発的に発言させるのが特徴だ。例えば「おじさんに嫌なことをされたの?」ではなく「何があったか話して」。面接者は不要な相づちをせず「それで?」「それから?」などと応じる。

 「いつ」「どこで」といった「WH質問」を用いることなく事実を明らかにするのが最大の目的だ。司法面接の手法を研究する立命館大学の仲真紀子教授(総合心理学部)は「本人が自分の記憶をサーチし、思い出して話すことで、正確な情報が得られる」と話す。

 面接は1対1で行われ、他機関のメンバーは別の部屋でモニターを通じて見守る。得られた情報や足りない部分を3者で整理するインターバルも設ける。録画・録音の実施も聴取減少の一因だ。室蘭児相の米田浩二所長は「非協力的な親に対抗する証拠にもなる」と意義を強調した。

 警察は主に刑事課が面接を担当。女性による聴取が多いという。司法面接の定着は3者の連携を容易にしたほか、児童の聴取に関するノウハウを警察にも広めた。仲教授は「児相と連携することで事件化ばかりでなく、児童を中心とした支援・介入の幅が広がった」と評価した。

 ■潜在的な事案

 室蘭児相の虐待認定(18年度)は約600件に上った。一方で性的虐待は横ばいが続き、18年度は5件(前年度比1件増)。このため、司法面接の件数に大きな変化はなく、毎年数件にとどまる。米田所長は「件数をうのみにしてはいけない。性被害は潜在的な事案が少なくない」と警鐘を鳴らす。

 また、米や英などでは、面接を収録したDVDを検察側が証拠として提出し、児童の証人尋問を省く配慮が特別措置として認められているが、日本では法整備が進んでいない。仲教授は「裁判でも活用されるようになれば児童の負担はさらに軽減される」と期待を寄せる。

(2019年11月20日掲載)

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