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室蘭民報

旧絵鞆小体育館棟売却も選択肢…市、来月判断へ【室蘭】

佐藤議員の質問に答弁する青山市長

 旧絵鞆小学校の体育館棟解体問題で、室蘭市の青山剛市長は5日、市議会で答弁し、体育館棟の市民団体への売却について検討していることを、公式に認めた。安全性と資金確保の確実性が担保された場合「売却も選択肢」とした。判断は1月に持ち越す。ただ団体の資金的には耐震改修までは難しく、取得しても当面活用されない見通しだ。

 佐藤潤議員(市民ネット・むろらん)に答えた。同議員は第3回定例会で体育館棟の解体費が議決されながら、現在まで執行されていない現状の説明を求めた。

 成田栄一教育部長は団体がクラウドファンディングや寄付で1700万円を調達したことを重く受け止め、解体工事の入札を延期している現状を伝えた。

 市によると、団体は当初校舎棟を含めた2棟一括での取得・活用を目指していたが、現在の調達資金では想定した資金・事業計画の実現が難しいため、方針を転換した。

 団体は体育館棟を取得できた場合も、維持補修での安全対策にとどめ、当面活用しない方針。一方で市有校舎棟の管理業務受託を希望している。校舎棟の一部を借り、屋上を有料展望スペースとして開放する事業などを計画している。

 成田部長は体育館棟の取得には1700万円を超える初期投資が必要との見方も示した。「1700万円は補修工事費にはなるが、取得費や不動産取得税などを含む初期費用が確保できるか見極める必要がある」と慎重に語った。

 同議員は体育館棟を活用する場合に不可欠となる耐震補強への考えも確認した。國枝信教育長は「屋根と外壁補修で当面の地域の安全は確保できる」とし、「今後具体的な活用を検討する場合に団体が耐震設計や耐震補強の検討を行う」と述べた。

 また「団体の行動は不透明な部分もあるが評価される。一方で議決は大変重い。市長には十分な話し合いの欠如、判断の甘さを感じる」と指摘。青山市長は「課題の検証を急ぎ、判断を1月の総務常任委員会で報告したい」と理解を求めた。

旧絵鞆小解体留保に理解・市議会各会派会長、政治判断求める声も

 旧絵鞆小円形校舎について、室蘭市議会の各会派会長は、議決した体育館棟解体を留保する市の対応に理解を示している。2棟の保存に向けては、資金計画や地域の安全確保を重視し、市長の政治判断を求める声が上がっている。

 最大会派の市民ネット・むろらん(7人)の水江一弘会長は「民間活用ができ、安全対策も担保されるならよい」と2棟を残す方向性に賛同する。クラウドファンディング(CF)について「想定していないことが起きた」とし、市の柔軟な対応の必要性を示唆。「耐震性に問題点はあるが、団体との話は進んでいる。やはり市長の政治判断が必要」と述べた。

 市政結和(6人)の我妻静夫会長は「これまで市長が進めてきた手順に齟齬(そご)はあった」と述べる一方、議決取り消しに「体育館棟の話に限ればやむを得ない」と市の判断を尊重。体育館棟の売却に「CFの成果だけで売却の判断は難しい。感情に左右されるのではなく、維持補修や資金確保策を見極めた上で、政治的判断が必要になる」と話した。

 令和新緑会(3人)の羽立秀光会長も2棟残す方向性を容認。耐震化を行うまで体育館棟内部を使用できない点を指摘し、体育館棟を売却する場合「市は、現状の施設で使える場所があるかを調べる必要がある」と訴える。「安全性で近隣住民に迷惑を掛けてはいけない」と適切な対応を求める。

 公明党(3人)の細川昭広会長は解体の議決は「重い」としながらも、解体が先延ばしされていることについて「市民団体が努力した結果」と受け止める。ただ「耐震性と安全性の大きな課題を将来的にクリアできるのかが重要。団体の提案を市がどう受け止めていくか注視する必要がある」と話した。

 共産党(2人)の田村農夫成会長は「市民意見は大切」と議決の留保に異論ないと強調。その上で「市長が将来像を描いているなら良いが対応は短絡的」と批判。「市の公共建築物の考え方がまとまっていない表れ。在るべき姿を考える必要がある」と語った。

市民と議論すべき

 山梨学院大学法学部政治行政学科(地方自治)の江藤俊昭教授
 「議決の修正はあり得る話だが、廃校の解体を巡っては珍しい。市議会の議決は重く、原則的には解体。ただ、議決にも間違いはあり、修正可能。保存や解体について市民としっかりと議論する必要がある」

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