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苫小牧民報

支笏湖に王子軽便鉄道ミュージアム 来月25日開業、地域の鉄道史伝える

旧山線鉄道のレールを掘り起こした「支笏湖・山線プロジェクト実行委員会」の佐々木委員長(右)と木下事務局長=千歳市支笏湖温泉

 かつて支笏湖と苫小牧を結んだ旧王子軽便鉄道(1908~51年運行)の博物館「王子軽便鉄道ミュージアム・山線湖畔驛(えき)」が来年1月25日、千歳市支笏湖温泉の支笏湖園地に開業する。館内では実物と特定されたレールや鉄道ジオラマ、関係者の証言映像などを展示、放映予定。近代日本と湖周辺地域の発展に貢献した鉄道の歴史を伝える。

 取り組みを主導するのは地元関係者で構成する「支笏湖・山線プロジェクト実行委員会」。今年5月に発足し、準備を進めてきた。博物館は園地内の展示室の建物を改修して整備。支笏湖ビジターセンターの近くに位置する。

 同鉄道を敷設、運行したのは王子製紙苫小牧工場。千歳川の水力発電所建設や材木輸送のため、約40キロを建設した。当初は貨物専用だったが、途中から旅客も輸送し、地元の人々は「山線」と呼んでいる。廃線後、レールの多くは売却され、残っていない。

 実行委は開館準備の一環で11月、湖畔で現在まで残る朱色の鉄橋「山線鉄橋」の下流、支笏湖第5駐車場付近の千歳川で水中に漬かったレールを引き上げた。その数は2種類各8本の計16本、延長76メートルに上った。

 地元住民も川岸から水中に延びるレールの存在を知っていたが、調査したことはなかった。当時、湖周辺で伐採した材木を鉄道に積み込む貯木場だった。川から材木を引き上げ、台車や貨車に積むために敷かれたと推測される。

 苫小牧市立中央図書館や王子製紙苫小牧工場での確認を経て、実行委は長さ4・5メートル、幅と高さ各7センチのレール8本は山線鉄道で37年以降に使われていたものと特定。約半分が川に漬かっていたレールは砂に覆われ、さびも少なく、刻印の英文から米国産であることも判明した。車輪と接する面が擦り減った様子から、実行委の木下宏事務局長は「本線に敷いて蒸気機関車が走った後、貯木場に移された可能性が高い」と言う。

 もう1種類のレールにはJISマークが刻まれていた。2種類が平行に敷かれていた状況から、1949年のJIS規格開始から貯木場で短期間使われた可能性もある。

 10日に博物館で行われた実行委の記者発表では、実物と特定したレールと博物館の概要を説明。館内ではレールの他、支笏湖から苫小牧までの経路や停車駅などを示したものと千歳川に架かる山線鉄橋周辺のジオラマ2個を設置し、山線の鉄道模型を走らせる。幼少時代を支笏湖で過ごし、山線に乗車した住民の座談会の映像も流す。

 佐々木義朗委員長は「この事業が始まらなければ、山線の歴史を掘り起こすことはできなかった」と実行委の活動の意義を強調。「博物館にレールを展示して、歴史を訪ねて支笏湖に来てくれる人が増える起爆剤になれば」と期待を込めた。

山線の本線にも使われたレールの刻印=同

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