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室蘭民報

ニュースを追って2019(6)【室蘭】

新テナントがオープンし多くの地域住民でにぎわいを見せる店内

粟田純樹・本社報道部

室蘭「ハック」再生

「地域のために」思い結実

 室蘭市内の商店街の苦境が叫ばれて久しい。旧丸井今井室蘭店閉店や大型商業施設開店などに伴い商業地図が大きく変わる中、白鳥台ショッピングセンター・ハックが今年、「復活」を遂げた。スーパーが撤退し、衰退が避けられない状況の中、新テナント誘致が成功。陰には大手小売店と地域商業者の「ウィン・ウィン(相互利益)」の関係構築があった。

 「地域と住民の顔が明るくなったのが一番良かった」。ハックを運営する白鳥台ショッピングセンター商業協同組合の田中健太理事長は、好調を維持する状況に笑みを浮かべた。

 ハック再生には幾度の困難があった。「夢のニュータウン」として人気を博した白鳥台地域だが、取り巻く状況は大きく変化した。

 ■ ■ ■

 高齢化の進展。JXTGエネルギー室蘭製造所の事業所化による人口減。住民数は1985年(昭和60年)の1万3千人台が、2015年(平成27年)に7032人となり、19年11月末現在で6087人とピーク時に比べ半減した。

 にぎわいを取り戻そうと組合関係者が市と連携し誘致に動いた。一時、大手ドラッグストアが関心を示したが、結果につながらなかった。有効な策を見いだせず「焦りが募る日々が続いた」(田中理事長)。

 白鳥台の「買い物難民」を危惧する報道(昨年11月)がホーマックニコット(本社札幌)の目に留まった。「小さなまちに大きな便利を届ける」が経営方針の同社。商機を逃すまいと関係者が同社幹部を訪問し来蘭を要請。10度にわたり店舗視察と交渉を重ねた。

 ■ ■ ■

 ハックが生まれ変わるために何が必要か。田中理事長は、核テナントに次ぐ新たな一手を打った。魚と野菜・果物を食べたいといった住民ニーズをつかみ、鮮魚店「ハイ・フィッシュみなしん」(皆川真一代表)を呼び込んだ。内池孝年さんと共同経営による青果店「ハイ・ベジタブルタカタ」の立ち上げも決めた。

 この3店同時オープンは白鳥台住民を呼び戻すきっかけとなった。スーパー誘致を働き掛けてきた上西英子さんは「住民にとって朗報」と喜び、新出店前から町会を中心に「購買運動」を呼び掛けるなど、新たな人の流れを生んだ。

 9月6日オープン当日。午前10時の開店2時間前から住民が列をつくった。シャッターが開くと同時に約300人が訪れた。「地域のために」(田中理事長)との思いが結実した瞬間だった。オープンから4カ月が経過した現在も「多くの住民が買い物している」(同組合・高島良知事務局長)と集客力を維持している。

 白鳥台地区の成功は、周辺エリアを含め地域ニーズを捉えたプロデュースの重要性を示した。従来の「商店街対大型店」の構図ではなく、地域商業の在り方を一歩前進させ、連携を考える。地域全体をイノベーションの場と捉えるべきとの意味が込められている。

(2019年12月18日掲載)

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