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室蘭民報

ニュースを追って2019(12)【室蘭】

存廃問題で注目を集めた旧絵鞆小学校円形校舎2棟

林帆南・本社報道部

室蘭・旧絵鞆小の校舎存廃問題

課題総括し、教訓生かせ

 旧絵鞆小学校(室蘭市祝津町)の校舎存廃問題が注目を集めた。閉校から5年にわたる議論の末、市は体育館棟の解体を決めたが、存続運動を受けて予算執行を留保。2棟一括で存続される可能性が強まった。円形校舎を巡る議論は、歴史的建造物の在り方や市の政策決定過程に多くの課題を突き付けた。

 閉校後、文化財審議会が2棟一括保存を求めていたが、市は活用方策を見いだせず2018年(平成30年)、民活の道を探る公募売却を計画した。保存運動を展開する市民団体が応募したが、事業・資金計画が認められず、不調に終わった。

 ■ ■ ■

 市は耐震性のない体育館棟を解体する方針を固め、9月の市議会で解体予算の議決を得た。一方、校舎棟については日本語学校の開校を目指す法人が活用意向を示していることもあり、縄文文化展示と併せて存続の考えをまとめた。

 ところが市民団体が解体間近の土壇場で保存運動を再始動、市に待ったをかけた。2棟一括取得に向けた計画を提出、解体必要資金の一部1千万円分についてはクラウドファンディング(CF)で調達する方針を説明した。

 解体入札の公告時期が迫っていたため、CF期間は2週間と短かったが、寄付は目標を上回った。団体は、寄付を約束した覚書と合わせて約1700万円を確保。当初計画の実現には大きく不足したが、市に再考を求めた。

 CFの行方など先の見通しが甘かった市は、身動きが取れなくなった。解体の議決に責任を感じた文化財審議会長の辞任、団体が1千万円超を集めたこともあり、世論や議会の風向きが変わった。解体を進めにくい環境が構築されていった。

 団体と市はようやく歩み寄った。無理があった計画を一度棚上げし、2棟保存を優先した協議入り。耐震化するまで当面利用できないが、現状資金をベースにひとまず体育館棟を取得、最低限の安全対策を行い保存する方向で調整を進めている。

 今回の存廃論議では、市が用途を見いだせない歴史的建造物の保存の在り方や市民団体との交渉の在り方、審議会など助言機関の意見の取り扱いや相互理解など、多くの課題を残した。

 その一つがCFを使った資金調達という概念の出現だ。市民がCFで寄付を募って施設活用を提案したこと自体初めて。「ネットを通じた寄付が市民意見として判断材料になるのか」(職員)という指摘もある。

 ■ ■ ■

 5年間検討を重ねながらも解体直前の一瞬でぶれる青山剛市長への批判も強い。市議の一人は「市長は市民に寄り添って議論してこなかった。施設縮減ありきの行革を進めてきた結果だ」と突き放した。

 円形校舎が2棟一括で残る雰囲気はあるが、市が解体議決を覆すだけの論理的な説明は難しい状況。庁内や議会からは「市長の政治判断で決着するしか方法はない」との意見も出始めている。

 市の幹部の一人は「今後も同様の判断を迫られる可能性がある。全庁的に一連の課題を総括し、教訓を生かさなければならない」と受け止めている。

(2019年12月26日掲載)

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