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苫小牧民報

苫小牧など道内主要6市 国連の核兵器禁止条約の意見書可決

 全国の地方議会で、国連が採択した核兵器禁止条約への署名、批准、参加を日本政府に求める意見書が相次いで可決されている。苫小牧市議会も昨年12月の定例会において賛成多数で可決した。道内では人口10万人以上の主要都市9市のうち、苫小牧を含む6市議会で成立しているが、安全保障の観点から核の抑止力を認め、同条約参加に慎重な政府の方針を尊重する考えも根強い。唯一の被爆国である日本で核兵器禁止条約に対する理解や解釈に温度差が生じている。

 核兵器禁止条約は2017年7月、国連で122カ国の賛同を得て採択された。核兵器の実験、製造、保有だけではなく、「使用する」という威嚇行為なども禁止しているが、条約発効に必要な50カ国・地域の批准には至っていない。日本政府は同条約の目標を共有する立場を取るが、核の抑止力を否定する内容が国際社会の分断をもたらすなどとして、署名や批准はしていない。

 一方、地方議会では政府に批准を求める意見書を可決するケースが増えている。原水爆禁止日本協議会(事務局・東京都)によると、地方議会の意見書採択状況(趣旨採択含む)は19年12月20日時点で全国433市町村。このうち道内は48市町村で、10万人以上の主要都市は苫小牧、旭川、函館、釧路、江別、帯広の6市。札幌や小樽、北見でも提案されたが、否決か不採択となった。

 苫小牧市議会では民主クラブが主導的に進め、全6会派のうち、民主クラブ、新緑、改革フォーラム、共産、会派市民の5会派の代表者と無所属1人が連名で提案し、成立させた。民主クラブの岩田薫幹事長は「苫小牧市には非核平和都市条例がある。昨年はローマ教皇も広島と長崎を訪問し、核兵器の保有自体を問題視した。世界的に関心を集める中で、よい機会と考えて提案した」と振り返る。

 ただ、岩倉博文市長は昨年12月の記者会見で、意見書可決に対し一定の理解を示す一方、安全保障に関わる国際的な厳しい環境を踏まえ、政府の慎重な立場を尊重する考えを表明しており、温度差が生まれている。

 原水協の担当者は「意見書採択の動きは年々広がっている。唯一の被爆国として核兵器禁止条約に参加してこそ、核のない世界への橋渡しができるはず」と話している。

【メモ】 意見書は地方自治法第99条に基づき、議会の意思としてまちの発展に必要な事柄の実現に向け、国や都道府県など関係機関に要請するため議決を経て提出する文書。法的な拘束力はない。

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