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室蘭民報

検証2020市予算案(上)・財政問題【室蘭】

 室蘭市の20年度当初予算案を3回に分けて検証する。

企業城下町の優位性低下/施設整備に影響も

財政の厳しさを認めつつ、大型公共施設整備へ意欲を見せる青山市長

 室蘭市の2020年度(令和2年度)一般会計予算案は3億1千万円の収支不足となり、公共施設等整備基金を2年連続で取り崩して組むことになった。自治体が自由に使うことができる一般財源の減少、労務単価高騰などを背景にした発注工事額の上昇が重くのしかかる。

 一般財源では市税収入が平成以降で初めて130億円を割り込んだ。中でも見逃せないのが法人税割の減少だ。

 企業が多数立地する室蘭にとって有利な財源だったが、優位性が薄れている。過去には20億円超の年もあったが、過去2度にわたる消費増税に伴う税制改正で減少、今回は6億円弱にまで縮小した。

 税率引き下げによる減収分は新たな交付金や地方交付税で補填(ほてん)されるが、それでも税制改正前に比べると差し引きで「1億円程度のマイナス」と影響は大きい。

 また、業界の人手不足を要因とした工事単価の増大は財政を圧迫し、工法見直しなどの対策でも追いつかない状況。加えて行革効果の大きかった職員費削減は頭打ち。行財政運営に暗雲が漂っている。

 ●基金支消

 収支不足を基金支消で補ったことで、今後の公共施設整備への影響が危惧されている。

 市は18年、10年間に予定する大型施設の整備計画を公表した。事業費総額は420億円に上る。予定事業には学校統廃合や環境科学館・図書館、新総合体育館、市役所本庁舎などを位置付けた。

 これらは補助金や起債と合わせて、公共施設等整備基金と減債基金を活用して建設する方針で、計画通りに進んだ場合は27年度に使い果たすと試算していた。

 しかし、2年連続の予定を上回る基金支消で計算に狂いが生じてきた。20年度末の両基金合計は54億円にまで減少。このままの財政運営では枯渇時期が早まる可能性が高い。

 さらに28年度以降には現計画には盛り込まれていない文化センターや給食センター、水族館という“大物”の老朽対応も迫っており、問題は深刻さを増す。

 ●財源捻出

 青山剛市長は17日の記者会見で「財政状況によっては規模感について精査が必要かもしれないが、そうならないよう努める」と、あくまで計画通り推し進める姿勢を見せた。

 対策としては不用額の捻出による基金の積み増しを挙げたが、これは不確定要素の部類だろう。現時点で確実な見通しはなく、庁内の危機感は強い。

 施設の建設需要が当面続く中、どう乗り切るのか。前向きに捉えるならば「財政難の原因が明確」(幹部)なだけに、手を打ちやすいといえるかもしれない。

 行革の本命が見当たらない中での財源捻出、施設規模縮小やスケジュール見直し、広域連携での整備による事業費低下、施設廃止の選択-。そこには難しい判断も予想される。

(2020年2月24日掲載)

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