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室蘭民報

検証2020市予算案(中)・人口減対策【室蘭】

子育て前世代取り込みへ/雇用の場、創出急務

18年度の白鳥大橋ウオークに合わせて市が実施した婚活イベント。市は人口減対策として、出会いの場サポートや若年層への家賃補助を検討している

 「(室蘭市は人口減対策で)十分な成果を上げたとは言えない。全国的に厳しいが、今皆さんが期待するのは、前例なき課題に立ち向かう姿ではないでしょうか」。昨年4月の室蘭市長選の街頭演説。3選を目指した現職の青山剛市長は聴衆を前に、地域医療の問題など人口減少に端を発した課題を並べ、対策の必要性を強調した。

 ●将来予測

 日本の人口は2008年(平成20年)をピークに減少に転じたが、市内では1969年(昭和44年)7月末の18万3605人(戸籍住民課の統計)をピークに人口減が進んだ。市は先進的に移住政策や子育て支援など手を打ってきたものの、減少に歯止めはかからない。国立社会保障・人口問題研究所(社人研)は、2040年の将来人口を5万5050人と推計している。

 国は14年、人口減抑制に向けた長期ビジョンを示している。市も将来人口の目標を掲げた人口ビジョンと取り組む施策を盛った第1期総合戦略(15年~19年)を策定。19年度は計画の見直し時期に当たり、新しい人口ビジョンでは40年人口5万9045人を展望する。この数字は社人研の18年推計より4千人多い。市は「将来も今ある暮らしは維持しなければいけない」とし、人口減による地域経済や暮らしへの影響に懸念を示す。

 人口減抑制に向け、第2期総合戦略(16年~20年)では新たな視点を交えながら、転出が多い20~30代への施策を盛り込んでいる。

 その視点の一つが若者の雇用の創出。現状で、市外への転出は20代前半が特に顕著だ。室工大生が卒業後、市外企業に就職することなどが要因。そこで産業の裾野を広げて若者の働く場を確保する必要があると考えた。20年度は、首都圏のIT企業などの誘致を目的としたサテライトオフィスモニター事業を実施し、多様な企業ニーズを拾う。

 転入転出のきっかけとなる結婚出産にも注目する。若者の転出先が近隣市で、市内就業者の4人に1人が市外居住者であることから「働く場所は室蘭市、居住は市外という状況がうかがえる」(市担当者)とみる。

 ●婚活支援

 市はこれまで子育て施策の充実を図ってきたが、同時に「室蘭は家賃が高い」という若者の声を課題と捉えてきた。今の子育て世代だけでなく、将来子育て世代となる「子育て前世代」の若年層に視点を置く。

 過去に青山市長は市民をつなぐ「en活」応援事業に取り組み、婚活や異業種交流を民間に波及させた。20年度はさらに一歩進め、結婚を望む未婚男女を結び付ける「出会いの場サポート」事業を打ち出した。

 市内には高収入で30代の未婚男性が多く、市民からも出会いの場を求める声が寄せられていたのを形にした。定住促進を狙い、結婚出産を迎える世代への家賃補助も検討している。

 加えて地域資源を生かし「行きたい」「住みたい」と思えるような取り組みも強化する。観光振興の施策などで、交流人口や関係人口の創出拡大を目指すとともに、まちの魅力発掘に向けて調査し、今後のシティープロモーションにつなげる。

 市企画課の担当者は「人口減少対策に特効薬はない」と危機感を強める。18日の記者会見で青山市長は「新たな取り組みも加えて政策を総動員し、総合的に展開していく」と決意を語った。

(2020年2月25日掲載)

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