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室蘭民報

「医療現場でのパワハラなくしたい」、村山さんが訴え【室蘭】

村山譲さんの遺影を見つめる母、百合子さん=9日、室蘭市

村山譲さんが残した遺書のコピー

 2013年(平成25年)9月、釧路赤十字病院(釧路市)に勤めていた新人看護師、村山譲さん=当時(36)=が医師のパワーハラスメントを受けて室蘭の実家で自殺した。現在も釧路地裁で労災認定を求める訴訟が続く。譲さんの母、百合子さん(64)が取材に応じ「医療現場でのハラスメントをなくしたい」と訴えた。

 ■夢の職業に転職

 「涙が出ない。泣くこともできないんですよ」。仕事先の札幌から戻り室蘭署で遺体と対面したが、現実を直視できなかった。遺書の《「お前はオペ室のお荷物だな」と言われて確信しました。成長のない人間が給料をもらうわけにはいきません》という記載。息子に何が起きたのか。疑問が残った。

 譲さんは室蘭東高校(当時)、日本工学院北海道専門学校(登別市)を卒業し、壮瞥町建設課に入庁。00年の有珠山噴火では被災状況の調査に奔走した。3人の弟妹が独立した30歳の夏、夢だった看護師への転職を決意。13年に釧路赤十字病院に就職した。「釧路のまち並みが室蘭と似ているんだよ」とよく笑顔で語っていたという。

 ■ミス報告が1枚

 釧路赤十字病院に対する遺族の不信感は消えない。適切に指導したが本人に適応力がなく多くのミスをした-と主張する病院が、遺族側弁護士の証拠保全に基づき提出した、譲さんの医療ミスの報告書(インシデントリポート)はA4判の紙1枚のみ。鎮静剤「プロポフォール」を1ミリリットル多く患者に投与したという内容だった。

 遺書にあった《手術台のロックを外してしまうアクシデントを起こしてしまいました》というミスについて報告書は残されていなかった。自身も看護師の百合子さんは「インシデントの報告書は新人、ベテランにかかわらず再発防止には不可欠。報告書が残されていないのはおかしい」と語る。

 釧路赤十字病院が、退職は死亡ではなく自己都合が理由と、北海道看護協会に手続きしていたことが発覚。室蘭での看護研修会の案内が死後も譲さん宛てに届いた。百合子さんは声を振り絞る。「息子が苦労して取得した看護師免許を返納するだけでつらかったのに、理不尽な対応ですよね」

 ■2万7千筆の声

 裁判が進むにつれて譲さんの死の理由を知るだけでなく「ハラスメントに悩む新人看護師を救いたい」という思いが強まった。全国各地で署名を集め、講演した。19年10月には室蘭で「子どもの命を守るために親が果たすべき責任」について語った。会員制交流サイト(SNS)で裁判の情報を発信している。署名は2万7千筆に上った。

 譲さんの名誉と新人看護師の命を守る―。次回の口頭弁論は6月2日。遺族は釧路地裁へ通い続ける。「どの病院でももめ事はあるし、加害者個人への非難はしない。悲劇を繰り返さないために組織の根っこが変わらないといけない」

 【釧路新人看護師自殺事件】2013年4月から釧路赤十字病院で働いていた村山譲さんが、仕事のミスを理由に医師らから暴言を受け、うつ病などの精神疾患を発症。同年9月、自殺した。遺族らが15年9月、釧路労働基準監督署に労災を申請したが認められず再審査請求も棄却された。18年4月、国に労災認定を求める訴えを起こした。国は請求棄却を求めている。

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