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室蘭民報

~本道近代化支えた産業遺産~いぶり炭鉄港めぐり(10)【室蘭】

当時の状態を保ち大切に保存されているD51320号機

歴史と文化、継承の資料

安平町のD51320号

 ■鉄道の要衝

 室蘭から高速道路で約1時間、沼ノ端西IC(インターチェンジ)で降り、国道234号を岩見沢方面に向かうと、左手に見えるのが昨年4月にオープンした「道の駅あびらD51ステーション」(安平町)。併設された鉄道資料館に安平町唯一の炭鉄港構成文化財、蒸気機関車D51320号機が展示されている。

 早来町と追分町が合併して誕生した安平町。追分町には、岩見沢第一機関区と並ぶ石炭輸送の中核だった追分保線区が存在し、石炭の鉄道輸送により日本の近代化と戦後の高度経済成長を支えてきた。

 「追分」という地名は、室蘭本線と夕張線(現石勝線)の分岐点にあることから「道が二つに分かれる場所」を意味し、鉄道が開通した1892年(明治25年)に名付けられたという。追分保線区の跡地には、道の駅に移転する前の安平町鉄道資料館があった。同町には、関係者が多く暮らす鉄道の要衝として発展した歴史があるまちだ。D51320号機はまちの歴史と文化を継承する生きた資料となっている。

 ■40年間整備

 D51320号機は、旧室蘭駅舎隣にあるD51560号機より1年早い1939年(昭和14年)生まれ。日立製作所笠戸工場(山口県)で製造後、道内に配備され、74年に廃止されるまで室蘭、函館、千歳、夕張の各線を275万2188キロ走り、各地に石炭を運んだ。廃車後も、当時の国鉄OBが保存会を結成し40年にわたり整備を続け、今なお圧縮空気で動く状態を保っている。

 道の駅のオープンと同時に展示される予定のD51320号機だったが、2018年(平成30年)9月に発生した胆振東部地震の影響で道路が大きく損壊したため、当初より2カ月遅れとなる6月にトレーラーで運ばれ、大型クレーンでレール上に設置された。

 ■ゆるキャラ

 道の駅には、安平町の食材を活かした焼きたてパンを販売する「D51BAKERY」が設けられているほか、D51320号機をデザインしたオリジナルグッズ各種を販売。「デゴイチせんぱい」というゆるキャラも登場し、こちらも人気を集めている。鉄道のまちの蒸気機関車は、観光客にも愛されている。

 現在は新型コロナウイルス感染拡大の影響で、鉄道資料館は臨時閉館している。大型連休中に予定していた屋外展示も中止となった。産炭地と港、各地を巡った当時の姿を今に残し、歴史的価値が高いと評価されるSLと歴史遺産群は新たな時を刻み、収束の日を待っている。

 【メモ】 鉄道資料館では、蒸気機関車D51320号機のほか、「特急おおぞら」などで活躍した北海道仕様の特急車両「キハ183系」も展示。安平町のHP(https://www.town.abira.lg.jp/midokoro/shisetsu/michinoeki)にはD51320号機をVR体験できるコンテンツなども用意されている。
(おわり)

(2020年5月23日掲載)

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