なぜ140年も続いているのか【浦河】
2017年9月に浦河町を訪れた兵庫県三田市のNPO法人「歴史文化財ネットワークさんだ」の6人の来町メンバーの1人、藤田裕彦さん(86)が、同市ゆかりの浦河町荻伏町の赤心社の歴史を中心に考察、紹介した「旧三田藩士・北海道の開拓に挑戦!理想郷を拓いた『赤心社』」(B5版52㌻)を刊行し、浦河町内の関係者や公的施設にも寄贈した。
今年で140年の歴史を持つ赤心社は、北海道開拓を目的に神戸の三田藩の藩士だった鈴木清氏により、1880年(明治13年)に組織されたクリスチャンによる開拓団。
翌1881年に兵庫や広島県から募集した約50人が浦河町東部の幌別川流域に入植。翌年に兵庫県三田出身の沢茂吉氏ら約80人が西部の荻伏町に入植し、浦河町振興の礎を築いた歴史があり、神戸市のすぐ北に位置する三田市のネットワークさんだの郷土史研究部会が赤心社、赤心社記念館、元浦河教会の視察や開拓団幹部の子孫と交流を深めている。
藤田さんの「赤心社」の冊子は、公益財団法人・図書館振興財団の全国コンクール、2019年度「第23回図書館を使った調べる学習コンクール」で優良賞を受賞した作品。三田市図書館に所蔵の「新浦河町史」、赤心社刊の「ピューリタンの北海道開拓・赤心社百年」など10数冊の参考文献や多くの資料を読み込み仕上げた労作。
藤田さんは同コンクールで神戸電鉄の誕生をテーマにした作品により、第21回コンクールで9万作品以上の応募の中から最高賞の文部科学大臣賞を受賞しており、他に優秀賞作品もある。
浦河町の歴史解説を含めた開拓団の苦難の足跡、町基幹産業の育成へ貢献した功績、赤心社が開拓に成功した原因の推考、浦河町を視察した一行の様子なども紹介している。
今回は100部刊行し、うち15部ほどを赤心社代表だった沢茂吉氏の孫にあたる現赤心社の沢恒明社長、同じく先祖が代表の塩出諭さんなど関係者と町郷土博物館ほか、町立図書館にも寄贈。 おわりに「赤心社の成功は『人を植えて心を耕し続けた』からだとの見方に同感」と書いた藤田さんは「赤心社の創立140年のお祝いの意味を込めて作品にし、浦河町の関係者にも贈ることにした」と話している。

藤田さんがまとめた赤心社の著書
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