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苫小牧民報

医師確保や経営改善課題に 白老町立国保病院改築基本計画素案

改築へ動きだす白老町立国保病院

 白老町は、町立国保病院の改築基本計画素案を取りまとめ、40床を備えた新病院を2025年度に開設する方向性を打ち出した。建設地は現病院の隣地(日の出町3)とし、長寿命化の進展を見据えて医療と介護福祉を一体提供する病院づくりを目指す方針だ。町は今年度内に基本計画を正式に策定し、27億円超を投じる改築へ動きだす構え。だが、将来に重い財政負担を残さないよう、まずは現病院の経営改善をどう図るかなど課題を抱えている。

■事業費27億円を想定

 素案によると、新病院の一般病床数については、40年までの長期的視点に基づく人口推計や構造、医療需要を見据えて、現行58床を下回る40床に設定。今後、白老町を含め東胆振の医療圏全体で高齢人口の比率が高まり、回復期医療の需要も伸びるとの想定から、40床のうち22床程度を回復期患者を受け入れる地域包括ケア病床とした。

 診療科目は、75歳以上の後期高齢者の増加傾向も踏まえて「内科」「整形外科(または外科)」「小児科」を基本とし、出張医による専門外来診療も続ける。併設の介護老人保健施設については、回復期治療後の慢性期患者の受け皿として適切な医療、介護サービスを提供する介護医療院に転換。定員は現行29人から19人へ変更する。

 新施設は鉄筋コンクリート造り2階建て、延べ床面積4100平方メートルを想定。一般病床40床と介護医療院の19床を備える。建設費や医療機器購入費を含めた総事業費は、新病院で23億6000万円、介護医療院で3億4400万円の計27億400万円を想定。21年度に基本設計、22年度に実施設計を行い、一部用地取得を経て現病院の隣地で24年度に着工、25年度の開院を目指すとした。

■二転三転の末に

 老朽化した病院の建て替えは、長年にわたる懸案問題となっていた。町は「公設公営・43床程度」とする改築基本構想を16年度に策定し、翌年に「公設民営・無床診療所化」へ方向転換した。だが、病床を無くすことに町民、町議会から批判が上がり、病院運営を担う民間事業者も確保できなかったため、18年度に「公設公営・入院機能維持」へ再び変更。二転三転の末、昨年8月に「公設公営・病床数20床以上」の基本方針を示し、今年2月には40床程度を目安とする方向性を出して、それを落としどころとした。

 町は、町議会の議論を踏まえて年度内に基本計画を策定。建て替えへいよいよ動きだすが、実現には乗り越えなければならないハードルが待ち構えている。

■求められる経営改善

 当面の課題は現病院の経営健全化。経常損失が続く状況を好転させなければ、新病院につけを回すことになるからだ。現病院は17年度、18年度ともに赤字決算となり、19年度も約4500万円の損失が発生。3年連続の単年度赤字で累積欠損金も増えている。

 背景にあるのは患者の減少で、19年度は特に常勤医師の退職により医業収益が大幅に減少。一般会計から病院事業会計への繰り出しはアイヌ政策推進交付金を除き約3億3000万円に膨らんだ。厳しい資金繰りが続く中で町は、今年度から25年度までの経営改善計画を策定。毎年3億円程度を一般会計から病院へ資金援助し、経営を安定化させる方針だ。しかし、医業収益確保に欠かせない常勤医師の補充ができず、2人態勢のまま。今年度は入通院の患者数も落ち込み、収益は19年度より悪化の状況が続いている。

 新病院建設の財源はほぼ起債(借金)で賄うことから、今から経営改善を着実に進めなければ、将来にわたり病院会計はもとより、町財政全体に大きな影響をもたらしかねない。人口減に伴う税収の落ち込みが予想される中、病院の赤字体質を変えなければ、町財政を圧迫し、必要な事業ができなくなる恐れもある。改築に向けては医師の確保と同時に、患者に選ばれる病院づくりにどう取り組むかが問われている。

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