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根室新聞

市と東海大 ヤナギダコの増殖研究で大量産卵に見通し【根室】

塩ビ管の産卵礁を使った産卵試験

 根室市と東海大学海洋学部が産学官連携研究開発事業で取り組んでいるヤナギダコの増殖に向けた研究で、塩ビ管の産卵礁を使った産卵試験が4月から行われている。6月29日現在で親ダコ20匹のうち、19匹の産卵が確認されており、市水産研究所の工藤良二次長は「限られたスペースの水槽内で大量に卵を産ませることができる見通しが立ち始めた」と話している。

 市内のヤナギダコの漁獲数量は、平成17年の5339トンをピークに増減はあるものの徐々に減少。昨年は約1千トンの水揚げとなっている。

 根室市は平成22年から東海大学海洋学部とヤナギダコの資源増大に向けた研究に取り組んでいる。これまでの研究でヤナギダコは雌雄ともに2年半ほどで成熟することなどが分かっており、平成29年に特許出願を行ったアクリル板の上に産卵させ、親がいなくても卵のみでふ化させる方法で試験に取り組んでいる。

 平成30年には、これまでの産卵試験で使っていたセラミック製の産卵礁が50キログラムほどと重く、限られたスペースでたくさんの卵を確保するため、コンパクトなタコ箱を使ってアクリル板の上に産卵させる試験を市水産研究所と落石漁協市場内で実施。昨年6月には落石漁港地先の水深7メートルの海中に設置されたホタテの殻を特殊なセメントで固めた多孔質な産卵礁2基に、ふ化した全長3センチの稚ダコ約1700匹を初めて放流した。

 また、昨年の産卵試験でタコ箱は角の方の水が汚れやすく、親ダコがアクリル板以外の所にも産卵してしまうため、既存のセラミック製のほかに、軽量で扱いやすい直径45センチ、長さ20センチの塩ビ管の産卵礁を使って中のアクリル板の上に産卵させる試験に取り組み、6月に入ってふ化を確認した。

 今年も稚ダコの放流を予定していたが、新型コロナウイルスの影響で、体制が整わず見送りとなった。ふ化した稚ダコは、各種実験に活用される。

 今年の産卵試験は4月に親ダコ20尾を確保し、塩ビ管の数を18個に増やしてスタート。昨年までは餌を与えながら産卵まで飼育をしていたが、今年は餌を与える手間や脱走を回避するため、親を塩ビ管の中に入れてすぐにプラスチック製の網でふたをして産卵試験を行っている。29日までに19匹の産卵が確認されている。

 市水産研究所の工藤良二次長は「すでに19匹の親から産卵が確認されており、限られたスペースの水槽内で大量に卵を産ませることができる見通しが立ち始めた」とし、今後については「放流事業の拡大も検討しつつ、放流したものを効率良く資源に添加させるための放流手法の在り方についても見極めていきたい」と話している。

 また、試験結果を受け、東海大学海洋学部の秋山信彦教授は「この方法がうまくいけば、産卵させ、資源保護をしながら漁業が成立することになり、新しい資源管理方法となる」と話していたという。

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