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室蘭民報

ホロベツアイヌの金成太郎、生きざま丹念に描く 室民連載コラムを富樫さんが発刊【登別】

本紙連載をまとめた11冊目の著書を手にする富樫さん

 アイヌ民族の文化や歴史を研究している富樫利一さん(87)=登別市常盤町=は、室蘭民報文化欄に連載しているコラム「息吹よふたたび」などをまとめた著書「息吹よふたたび―アイヌの人と共に」=非販売=を発刊した。明治新政府がアイヌ民族の言語や文化を事実上禁止し、和人への同化を強制する政策を進めた中、現在の登別市に住んでいたホロベツアイヌなど、西胆振のアイヌの生きざまを丹念に書いた内容だ。

 1932年(昭和7年)に空知管内栗山町で生まれた富樫さんは、小学生当時から読書や作文が好きだった一方、夕張北高校(夕張市)ではバレーボールに打ち込み、全国大会で3位となった。教員として道内各地の中学校で国語を教えながらバレーボールの指導や普及に尽力。20年余の教員生活を経て登別市役所の職員となった。

 50歳を過ぎたころ、市史編纂室で見た資料でホロベツアイヌの金成太郎(かんなりたろう、1866―1897年)の存在を知り、当時の新聞や文献を徹底的に調べた。明治時代にアイヌで初めて室蘭常盤小学校に入学し、成績優秀で札幌師範学校に進学。卒業後はアイヌ学校の設立運動を展開するアイヌの若きリーダーだった一方、和人から差別を受けた。その後、なぜか各地を流浪し、30歳の若さで函館の路上で亡くなった。金成一族の間では毒殺と語られていた。

 「差別を受けたアイヌの悲惨な史実を調べて書くことは、日本の社会のゆがみをあぶり出すこと」。富樫さんは思いを強め、西胆振に暮らしていたアイヌの人生を中心に追い続け、文章をつづってきた。

 11冊目となる著書は、室蘭民報に2016年(平成28年)から連載してきた作品を中心に全60編を掲載。金成太郎、その父の喜蔵、金成太郎の死を報じた新聞記者、アイヌの父と呼ばれたジョン・バチラー、知里幸恵、知里真志保など西胆振のアイヌや関係者が登場している。

 アイヌ民族文化財団の出版助成を受けて発刊。300冊刷って関係者に配布したほか、登別、室蘭、伊達3市の教育委員会に贈った。富樫さんは「小中学校でアイヌ教育を行う上で参考になれば」と願う。11月に米寿を迎える中、「体力は落ちたが書きたい意欲はある。アイヌの史実を隠蔽(いんぺい)してはいけない」と本紙で連載を続ける決意だ。

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