色素抽出用サツマイモを試験栽培【遠別】

遠別町字歌越の農業生産法人有限会社緑進のほ場で鹿児島県から取り寄せた移植機を使って行われているサツマイモの苗植え作業
遠別町内では、1日から「色素抽出用サツマイモ」の栽培が始まった。留萌農業改良普及センターをはじめ、赤シソなどから植物性色素の製造を行う鹿遠産業株式会社(本社・遠別町、吉田真人代表取締役)、農業生産法人有限会社緑進(同・同、小森嘉孝代表)などで構成する連携団体が研究を推進、令和元年度から試験栽培に取り組んでいるもの。今年はこれまでと異なり、鹿児島県からサツマイモ用の移植機を取り寄せて苗植えが行われ、昨年の収量約1トンを大幅に超える40~50トンの収穫を目標に、安定生産に向けて取り組みが本格始動した。
色素抽出用サツマイモの試験栽培は令和元年度からスタート。サツマイモ由来の色素が安全、安心面から需要が伸びている天然素材を原料とする色素のうち、赤色系天然色素では素材の主流の赤キャベツと色調が近く、臭みが少ないことから需要が増加。さらに、原料のサツマイモが主な産地である宮崎県で芋焼酎の生産へ使われることが多くなり、代替えの産地が求められていることに着目。同センターなどのサポートを受けながら、鹿遠産業が色素抽出用の赤シソや紫キャベツを生産、同社に卸している緑進に栽培を依頼している。
1日から町字歌越にある緑進のほ場を皮切りに始まった苗植え作業には、鹿児島県から取り寄せたサツマイモ用の移植機2台を使用。苗植えと同時に適量の水を注入、ローラーが土を踏み固めるなどの機能が作業を効率化。1時間当たり200株のペースで作業は順調に進んだ。
今年は「アケムラサキ」の苗約5万株を4ヘクタールのほ場に植える予定で、順調に生育が進めば10月中旬にも収穫時期を迎える。
現在は群馬県から苗を取り寄せており、保管が難しいことから気象リスクが高い時期に植え付けをせざるを得ず、収穫量が安定しないこと、苗の町内栽培のためには種イモ貯蔵庫、育苗ハウスの施設が必要となるなどの課題もある。
昨年からは、遠別農業高校(織井恒校長)が連携団体に参加しており、同校生徒たちの柔軟な発想やアイデア、食品加工技術を借りた特産品開発も視野に入れ、遠別町の新たな地域活性策になるものとして関係者からの期待も集まっている。
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