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苫小牧民報

北光町の幼児死体遺棄事件 母親が胸の内明かす「深い後悔」

「もっと早く周りの人に相談していれば…」。苫小牧市北光町の自宅アパートに事故死した長男(当時2歳)の死体を遺棄した罪で今年3月、執行猶予付き懲役1年の判決を受けた母親(28)は、苫小牧民報の取材に応じ、深い後悔をにじませた。行政や家族の支援を受けずに、無戸籍の子どもを含む3人を一人で育てるも、やがて生活が破綻。追い詰められた末の事故に適切に対処する力は残っておらず、事件に発展させてしまった。「自分のようなことを、他の人に繰り返してほしくない」と願い、かつての生活状況や胸の内を明かした。

 ―子どもが無戸籍となった経緯は。

 「20歳の時、付き合っていた男性との間に長女が生まれた。出生届を出したが、男性とは結婚せず、生活保護を受けながら母子で生活してきた。

 25歳の時、別の男性との間で長男を妊娠したが、相手の行方が分からなくなってしまった。そのことを自分の母に知られたくないと思い、病院に行かずに自宅で出産した。このことが原因で出生届も出せず、無戸籍となった。

 その2年後、似たような状況で次男を妊娠した。この時も自宅で出産し、長男と同じように戸籍の手続きはしなかった」

 ―なぜ、生活が行き詰まったのか。

 「子どもの戸籍のことを人に知られたくなかったので、長男が生まれる頃、市の生活保護の担当者への連絡を断った。このため生活保護が打ち切りになった。子どもたちの父親からは養育費をもらっていなかったので、接客業の自分の収入だけで生活するしかなくなった。

 戸籍のない子どもを保育園に預けることはできないので、働くためには子どもを家で留守番させるしかなかった。なので、短時間しか働けず、十分な収入を得ることはできなかった。

 次男が生まれたらさらに生活が苦しくなり、ひどい時にはひと月10万円くらいで生活しなければならなくなった。ひとり親が受けられる公的な経済支援も受けていなかったので家賃や光熱費が払えなくなり、ガスや電気も使えなくなった。子どもたちにご飯だけはしっかり食べさせたいと思って必死に働いたけど、内心、『もう無理かも』と考えることも増えた」

 ―誰にも頼れなかったのはなぜか。

 「無戸籍のことが知られたら、子どもが施設に連れていかれ、離れ離れになってしまうのでは、と考えたのが一番の理由。子どもの戸籍に対して、常に『どうしよう』という気持ちが付きまとっていた。インターネットで戸籍の取り方を調べたけど、必要な書類がそろわずに断念した。

 市とのつながりを自分から絶ってしまったことも、負い目になっていた。周りで心配してくれる人がいたかもしれないけど、自分からはとても『助けて』とは言えなかった」

 ―今、思っていることは。

 「長男はとてもやんちゃだけど、弟思いの優しい子だった。とても大切に思っていたのに守ってあげられなかった上、きちんと弔ってあげず、本当に申し訳なく思っている。

 すべては、長男を妊娠した時に自分だけで何とかしようとし、周りから孤立したことが始まりだった。あの時『自分さえ頑張れば』と考えず、母や周囲の人に相談していたなら結果は違ったのではないか―とずっと後悔している。

 今は離れ離れになっている長女と次男と、また一緒に暮らせるようになることが一番の目標。一日でも早く子どもを迎えられるよう、仕事を見つけて公的な支援に頼らない生活を送っている。困ったときは周りの人に相談し、手助けしてもらいながら生活していこうと心に決めている」

メモ 幼児死体遺棄事件 

 2020年1月、母親(28)が不在中に長男(当時2歳)が自宅の浴槽で事故死したが、長男が無戸籍であることが露呈することを恐れた母親が、遺体を自宅のクローゼット内に隠ぺい。同年11月下旬、母親が苫小牧署に自ら出頭したことで事件が明るみに出た。母親は今年3月、札幌地裁苫小牧支部で、死体遺棄罪として懲役1年、執行猶予3年(求刑懲役1年)の判決を受けた。

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