希少鳥類7種を確認、ドローンで勇払原野の生息調査
日本野鳥の会ウトナイ湖サンクチュアリ(苫小牧市植苗)は野鳥繁殖期の4~8月、市内東部に広がる勇払原野でドローンなどを用いて実施した新手法の鳥類調査で、国内レッドリストに掲載された絶滅の恐れがある希少鳥類7種の生息を確認したと発表した。
7種は絶滅危惧1B類シマクイナ、アカモズ、チュウヒ、同2類タンチョウ、オジロワシ、準絶滅危惧マキノセンニュウ、オオジシギ。
今年の調査ではドローンや集音マイクが活躍。営巣地周辺をドローンの遠隔操作で観察したところ、タンチョウのつがいが苫小牧東部工業地域で整備予定の河道内調整地(遊水地)を採食場として利用していることも確認できたという。
従来は目視で約1キロ先にいる個体の行動を観察してきたが、タンチョウは人が簡単に近づけないヨシの草原で繁殖するため、巣そのものの確認は難しかった。
シマクイナは、マイクと録音装置を使った調査で6月上旬の飛来を確認。ボランティアの協力による年2回の夜間調査で2012年以降、毎年確認できているが、今年は計25日間の調査で幼鳥6羽の目視につながったという。
今回の7種は多くが湿原や草原に生息し、全国でも限られた地域でしか確認されていない希少種。同サンクチュアリのレンジャー善浪めぐみさんは「希少種の生息環境が残されていることが改めて示された」と話す。
同会は16年から安平川下流域に整備予定の河道内調整地のラムサール条約湿地登録を要望しており、関係機関と連携した保全活動を続けている。
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