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十勝毎日新聞

100年前のスペイン風邪 人流介し拡大 新型コロナと共通点【十勝】

 新型コロナウイルスの第6波が日本各地を襲っている。2020年1月に国内初の感染が確認されてから2年がたち、陽性者数は170万人(うち死者数は約1万8000人)を超えた。世界では100年ほど前にもインフルエンザ「スペイン風邪」が猛威を振るい、十勝管内でも多くの罹患(りかん)者が生じた。当時の十勝毎日新聞でも「コレラ赤痢チフス等よりも恐ろしい」などと報じ、ワクチン接種の必要性など新型コロナとの時代を超えた共通点も見られた=電子版に詳報。

「流感帯廣を襲ふ」と見出しが付いた1920年10月7日の十勝毎日新聞記事

 十勝の詳細な患者数や死者数は記録に残っていないとみられるが、当時の十勝毎日新聞によると、1920年10月7日の記事に「流感 帯廣を襲ふ」と見出しがある。記事中では「急性肺炎になってゐるのが決して少くない」「東京ではもう盛になってきて(中略)本道は東京と最も密接な関係があって人の往来も頻繁だから帯廣地方にも患者らしいものが見られている」と、現在のコロナ同様の人流を介した感染の広がりが記されている。

 また、当時はインフルエンザウイルス発見前で現在と同様のワクチンではなかったが、記事中には「初期だから今のうちにワクチン注射をして予防して置けばよい」「注射をした人でも罹病した人が澤山あつたが、併し注射をしてゐないとしたら更に激烈な魔のお見舞を受けたかも知れないので大難が小難で済む譯である」と、今のワクチン奨励と同様の考え方があったようだ。

 新聞以外にも記録が残る。十勝在住の教育者でアイヌ民族研究家の吉田巌の日記には、「流行性感冒者6割5部5厘強に当るを以て、学校閉鎖の手続書を」との記述があり、子どもたちが熱や頭痛などの症状を訴えていたと記録がある。

 清水町百年史(2005年発行)にも、「大正7年(1918年)の冬からはやりはじめ、人舞村では同年11月には村内9小学校の児童総数1234名のうち、71%の878名が風邪のために欠席、教師もまた28名中20名が罹患して授業どころではなくなった」と記され、1週間の休校措置などを取ったが死亡者が出るなどしたとある。

 加えて、大雪で死者の埋葬が間に合わず、雪の中に埋めておき、春に墓地に改めて埋葬した話や、清水市街の病院にはワクチンや薬も何もなく、「医者もお手上げだった」と脅威に感じていたようだ。

<スペイン風邪>
 1918年3月から20年ごろまで全世界で流行し、当時の世界人口18億~20億人の3分の1以上が感染し、数千万人(おおむね2000万~5000万人)が亡くなり、致死率は2.5%以上と推計される。新型コロナウイルスの世界の感染者数(2日時点、厚生労働省)は2億8000万人、死者数543万人。

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