青葉小ＰＴＡが制作した特大卒業証書

卒業式当日、玄関前

　思い出に残る卒業式にしよう－。コロナ禍で行動制限が続く中、登別市青葉小学校ＰＴＡ（小西佳伸会長）は、卒業証書を模した特大パネルを制作。通常の証書よりも何倍も大きい規格で、３月の卒業式当日に校舎前に飾る計画だ。小西会長は「地域の皆さんの協力でできた大きな卒業証書。記念撮影で思い出づくりにつなげてほしい」と目を細めている。

　「右の者は小学校の全過程を修了したことを証する」

　小学校の卒業証書に書かれている文章だが、サイズは一般的な内容と大きく異なる。パネルは２・６メートル×２・３メートルの仕様。文字の一つ一つは大人の顔ほどある。流線型の模様もしっかりと表現されている。

　コロナ禍で学校は臨時休業が重なり、再開後も行事の中止や延期、縮小、参加人数制限などの対応に追われてきた。「我慢を強いられてきた子どもたちに思い出に残る事業は何か」と考案。浮かんだアイデアが“大きな卒業証書”だ。

　参考にしたのは埼玉県新座市商工会青年部の取り組みだ。昨年３月、特殊段ボールで作った大きな卒業証書のパネルを学校へ寄贈していた。満面の笑みでカメラに納まる子どもたちにヒントを得て、同青年部に許可を得て制作が始まった。

　“本家”は段ボールだが、登別バージョンはテント生地を用いた。段ボールよりも収納しやすいことが利点だ。地元の山道テント工業所に卒業証書のデザインのプリント、加工などを依頼した。

　子どもたちの名前が記されるスペースは空欄にした。実際に子どもたちが立って、記念撮影ができる仕様だ。同校のほか、地域での行事で連携する青葉地区子ども会育成連絡協議会、あおば元気な会の３者の名前を記した。

　卒業式当日に玄関前に飾る計画だ。完成品を見た同校の工藤信司校長は「素晴らしい完成度ですね」とにっこり。小西会長は「今後の学校統廃合で、青葉小の名前がなくなるかもしれない。それでも、青葉の名前が続く限り使用してもらいたい。他の学校でも取り組みが広がるといいですね」と話した。