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日高報知新聞

幌満地区で避難訓練【様似】

【様似】様似町は15日、幌満地区を対象とした津波避難訓練を実施した。地域住民が地震発生時の状況を想定し高台への避難訓練を行ったほか、防災対策の在り方を検討し、意見を交わした。

 日本海溝・千島海溝沿い巨大地震発生による波被害を想定した避難訓練。住民一人ひとりの防災意識高揚を図るとともに、避難方法や避難場所、備蓄体制などの地域の状況を把握した。

 道が昨年7月に発表した津波浸水想定区域図で幌満地区は、最大15・9㍍の津波が最短到達時間27分で押し寄せ、地区全域が浸水する可能性が想定されている。

 訓練は十勝沖を震源とするマグニチュード9・3の地震が発生し、北海道太平洋沿岸に大津波警報を発令したという想定で実施。避難場所は、幌満地区の神社裏山、避難階段のある高台、東邦オリビン工業事務所と旧採石場の4カ所。町では避難場所を指定せずに、参加住民が各自の判断で避難した。

 午後0時半、幌満地区で防災無線の大津波警報発令が放送されると、住民らは迅速に安全が確保できる避難場所に車や徒歩で避難。旧採石場には13人が12分、避難階段には10人が7分で移動し、津波最短到達時間の27分以内での避難を完了した。

 訓練終了後は、幌満コミュニティセンターへ集まり、日高東部消防組合様似支署の職員による消防訓練が行われたほか、町の防災担当職員と荒木輝明町長、木下行宏副町長を交え、幌満地区の防災に関しての意見を交わした。

 地域住民からは、「幌満地区は、地震で土砂崩れが発生すると国道が両方向とも封鎖される。助けが来るまでの間、過ごすための食料や防寒用の毛布などを備えてほしい」「避難階段は、年寄りが上るには大変な状況。手すりを付けるなど安全に上れるような対策を」―など地域の事情を踏まえた避難経路や避難先の整備を要望する声が挙がり、町担当者からは、「今後、備蓄品倉庫の整備や安全な避難経路の確保に向けた検討を進めていく」との意向が示された。

13人が避難した旧採石場

  ◇  ◇  ◇

【様似】浦河警察署旭駐在所の墨谷耕平巡査部長(38)が幌満地区の住民25世帯を対象に、それぞれの家庭の状況に配慮した「個別の避難計画」を作成した。墨谷さんが各家庭を巡回し、避難時のアドバイスをしながら避難計画書を配布した。

 道が発表した津波浸水想定によると、最大15・9㍍の津波が最短到達時間27分で押し寄せ、幌満地区のほぼ全域が浸水する恐れがあると予想されている。

 墨谷さんは旭駐在所での勤務が5年目を迎え、地域の状況をよく知る警察官として、高齢者や足の悪い人、小さい子どものいる世帯が迅速に避難できるよう、各家庭の状況に応じたオーダーメイドの避難計画を作成。

 避難計画は、4月の末頃から墨谷さんが、津波浸水想定や標高、地形などのデータを参考に、各家庭の位置と避難場所までの距離を計算しながら作成。徒歩で移動する場合と車で移動する場合の避難場所までの距離、避難経路や所要時間をそれぞれ記載し、避難する上でのアドバイスも添えている。

 12日に、幌満地区25世帯分の避難計画が完成し、15日の避難訓練前に各家庭を訪問し配布した。墨谷さんは「幌満地区は高齢者の多い地域。迅速な避難につながるよう避難計画を役立ててほしい」と話していた。

個別の避難計画を手にする墨谷さん

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