新島襄の熱い志を継承 3年ぶりに碑前祭【函館】
函館から密出国を図って渡米後、京都に同志社大を創立した新島襄(1843~1890年)をしのぶセレモニー「碑前祭」が13日、函館市大町の「海外渡航の地碑」前で開かれた。新島が世界に目を向け、大志を胸に函館から航海に出た往時に思いをはせた。
学校法人同志社(八田英二総長・理事長)が主催し、函館市が後援。同志社校友会函館クラブ(藤島浩会長)の会員をはじめ、札幌や青森の卒業生ら30人が参加した。過去2年は新型コロナウイルスの感染拡大で中止しており、開催は3年ぶり。
八田総長は「新島の波乱に飛んだ生涯の原点は函館の地にある。新島の熱い志を再確認し、継承し発展させ、150年、200年の大計に向けこん身の努力を続ける」と式辞。市観光部の高井暁次長が「同志社との縁を大切にし、皆さんとの交流が続くことを期待する」とあいさつし、八田総長と高井次長が碑前に献花した。讃美歌の斉唱やカレッジソングは声を出さず、音声のみ流した。
新島が脱国した1864(元治元)年6月14日(新暦7月17日)を記念し、碑は1954(昭和29)年に建立。函館クラブを中心に碑前祭を続けてきたが、2010年から学校法人同志社が主催している。同志社は2025年に創立150周年を迎える。
ブルーオーシャン(青森市)顧問の佐藤光彦さん(76)=1970年法学部卒=は「新島の思いをあらためてかみしめ、現代に生きる私たちが頑張らねばと思った」と話した。
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