漁網リサイクル工場開所 鈴木商会が道内初事業 苫小牧
資源リサイクルの鈴木商会(本社札幌市、駒谷僚社長)は13日、苫小牧市晴海町に整備した工場「苫小牧プラ・ファクトリー」の開所式を行った。産業廃棄物だったナイロン製の漁網を、衣類などの原材料となるペレットに再生する新規事業。既に漁網の回収やペレットの生産を始めており、駒谷社長は「地域と地球環境に貢献していく」と意欲を見せた。
同社は主に金属系の産業廃棄物を分解処理し、資源に再生するリサイクル企業。埋め立て処分が主流とされる漁網のリサイクルに目を付け、2020年12月に同分野で実績のあるリファインバース(東京)と業務提携を締結。21年6月から総事業費約3億4000万円かけて工場を整備した。
既存の鉄筋コンクリート造り平屋建て約1100平方メートルの工場を借り、漁網を切断、洗浄、粉砕し、約3ミリの粒状ペレットにするラインを設置。道内で漁網は年間1500~2000トンが廃棄される中、漁網の処理能力は1日4・8トンで、年間1300トンの原料リサイクル化を目指す。従業員は4人体制で、今後の事業展開によって、人員増も検討する。
開所式は両社、事業に協力する日本軽金属苫小牧製造所、苫小牧漁業協同組合など関係者ら約50人が参加し、安全祈願の神事やテープカットを行った。駒谷社長は「資源循環型製造業を推進したい」と道内初の事業に意欲を見せ、「苫小牧は本道の海の玄関口。漁網を集荷しやすく、各地に出荷しやすい」と強調した。
工場は4月に完成し、試運転を経て、既に稼働している。ペレットは再生ナイロン樹脂として販売し、ボタンや靴底、バッグなどの原料になる見通し。駒谷社長は「最初から完璧なものにならないかもしれないが、衣類など当たり前に利用してもらえるようになれば」と展望を述べた。
また、漁網を安定的に回収するため、漁業者が支払う産廃処理料は低価格に設定する。苫小牧漁協では漁業者に漁網の分別などを周知しており、伊藤信孝組合長は「漁業者にとって負担の軽減になり、リサイクルにつながる喜ばしい取り組み。今後も協力していきたい」と話していた。
関連記事
ごみのない社会を目指して 株式会社そうけん 市内や大空で清掃奉仕【網走】
【網走】国連で採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」に取り組んでいるそうけん(中村圭社長)が、事務所周辺の町内や北浜、女満別空港周辺などで清掃奉仕した。 中村社長や社員80人が市南7...
バイオマス発電などを視察 鈴木知事が斜網地区訪問【斜網】
【斜網】鈴木直道知事は22、23の両日、斜網地区を訪問。「なおみちカフェ」「スクラムトーク」を開き、地域住民らと懇談した。 なおみちカフェは「地域がもっと輝く北海道」の実現に向け、鈴木知事が...
フィナンシェ「優駿の里」 特産夏いちごをふんだんに アエル売店で5月1日..
浦河優駿ビレッジ アエル(アエル)は、町内の事業者とタッグを組み特産の夏いちご(すずあかね)をふんだんに使った、いちごフィナンシェ「優駿の里」を開発した。メイド・イン浦河にこだわった新たな土産...
クジラ、海鳥を見よう 準備万端、安全第一で 今季の運航始まる あばしりネ..
【網走】クジラやイルカ、海鳥など、多彩で豊かなオホーツクの生態系を体感できる「あばしりネイチャークルーズ」の今シーズン運航が始まった。運航前には、網走海保による同クルーズに使われる小型観光船...
70匹の鯉のぼり泳ぐ 新冠町商工会青年部 ド・レ・ミ園舎中庭に設置【新冠】
【新冠】5月5日のこどもの日を前に、町商工会青年部(奥山祐哉部長、部員13人)は22日、町内東町の認定こども園ド・レ・ミ(土井牧子園長、園児103人)の道路沿いと園舎中庭に約70匹の鯉のぼりを設置し...
CATEGORY記事カテゴリー
MEDIA参加新聞社
ARCHIVE月別記事リスト
RANKINGアクセスランキング
- 週間アクセス
- 月間アクセス
-
1
函館が舞台「名探偵コナン100万ドルの五稜星」公開始まる 関連イベントも盛り上がる【函館】
2室蘭、登別で出店盛ん スーパーや飲食、衣料品店続々【室蘭、登別】
3北斗のサクラ楽しんで 20日から桜回廊、戸切地陣屋跡でまつり【北斗】
4ライトアップ初日を楽しむ 函館公園と五稜郭公園で花見電飾【函館】
5丹頂市場 来月6日新装開店 カフェや炉端楽しんで【釧路市】
-
1
函館山山頂展望台の混雑解消、魅力向上へ 市が新年度から取り組み【函館】
2米粉100%使用シフォンケーキ開発 函館のカフェ【函館】
3函館が舞台「名探偵コナン100万ドルの五稜星」公開始まる 関連イベントも盛り上がる【函館】
4丹頂市場 来月6日新装開店 カフェや炉端楽しんで【釧路市】
5森町地域おこし協力隊に元プロ野球選手の吉田さん着任【森】