尾山学芸員（左）から説明を受けてマリモを観察する来場者

　釧路市動物園（鈴木貴博園長）のレストハウスで８日から、国の特別天然記念物に指定されている阿寒湖のマリモと、保護や研究活動を紹介するパネル１４枚の展示が始まった。展示は５月に釧路空港からスタートした、マリモとタンチョウの特別天然記念物指定７０周年記念事業として行っている巡回展で、実物のマリモ設置は動物園のみ。マリモ展示は１４日まで、パネル展示は２２日まで行う。

　展示されているマリモは直径８～２０㌢の四つで、２０㌢を超える球状マリモが群生するのは世界で阿寒湖だけということをアピールしている。文化庁の許可を得て同湖のマリモ展示観察センターから移送。水槽内には天然の環境を意識し、小型スクリューを設置して人工的に流れを与えている。１４日までの期間中、市教委マリモ研究室の尾山洋一学芸員がレストハウスに常駐し、マリモの生態や魅力を紹介する。

　また展示パネル（Ａ１判サイズ）では、マリモの保護活動や最新研究を紹介。増えすぎた水草を刈り取る様子や、昨年６、１２月にチュウルイ湾に打ち上げられたマリモの救出活動などを解説している。

　札幌市から観光で訪れた６歳男児は「マリモをずっと見たいと思っていた。思ったより大きかった」と笑顔を見せていた。尾山学芸員は「天然記念物のマリモを間近で見ることができるまたとないチャンス。タンチョウとともに釧路の自然の魅力をご覧いただきたい」と呼び掛けている。

　今後は、９月４～２９日に温根内ビジターセンター（鶴居）でパネル展を予定し、記念講演会を同１１日午後１時から開く予定。