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苫小牧民報

道南バス、車内放送でアイヌ語検討 日高を走る一部区間

 道南バス(本社室蘭市)は、内閣官房アイヌ総合政策室の要請を受け、来年4月にも日高地方を運行する路線バスの一部区間で、アイヌ語の車内放送を流すことを検討している。アイヌ文化が息づく日高地方を走るバスを活用し、民族文化を広く知ってもらおうという試みだ。  アイヌ総合政策室北海道分室(札幌市)によると、アイヌ文化をよりアピールする手段について、大学の研究者や自治体などと協議する中、アイヌ語の車内放送を発案。9月に同分室の担当者が道南バスに協力を依頼。同社も趣旨に理解を示し、実施に向けた検討を進めている。  アイヌ語の車内放送を導入する路線の候補として挙がっているのは、苫小牧-平取間などを走るバスなど。専門家の協力の下、乗客へのあいさつや注意事項、行き先などをアイヌ語に翻訳して録音。日本語のアナウンスも付け加えて放送する形を想定している。  同分室は「アイヌ文化の伝承活動が活発な平取町を中心に走るバスへの採用を考えている。地域の理解や協力が必要なので、具体的なことが決まれば周知したい」とし、道南バスは「協力する方向で検討している」と話す。  バス乗客に民族文化への関心を高めてもらう試みに対し、導入路線の候補に挙がる平取町も期待する。同町は2008年度からコタン(村)を再現した伝承活動の拠点整備や、伝統料理に使う食材植物の栽培などイオル再生事業を展開。アイヌ文化の伝承や発信を政策的に進めており、遠藤桂一副町長は「アイヌ語に多くの人が触れる契機になってくれれば」と言う。  同町の二風谷アイヌ文化博物館も「20年に白老町に民族共生象徴空間が整備されることもあり、よりアイヌ民族について関心を持ってもらえる」と歓迎。森岡健治館長は「アイヌ文化の振興には、関係機関が長期的に活動を続けることが重要」とし、「アイヌ民族にとって言葉は魂。車内放送でアイヌ語のあいさつや地名を耳にしてもらうことで、民族文化への理解が深まり、文化振興につながれば」と期待を寄せた。

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