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苫小牧民報

北朝鮮の木造船か 5月に苫小牧沖で発見、港に一時保管

 今年5月に苫小牧沖で、転覆状態で漂流する謎の木造船が発見され、苫小牧海保の調査を経て現在、苫小牧港に一時保管されていることが分かった。日本海沿岸に相次いで漂着した北朝鮮籍とみられる木造船に酷似しており、専門家は「構造などの特徴から北朝鮮の船ではないか」と推測。海上保安庁によると、これまでに太平洋沿岸で朝鮮半島由来とみられる同様の木造船が見つかった例はないという。

 苫小牧海保などによると、5月20日午前7時ごろ、苫小牧港・西港の南方19キロ付近を航行していた貨物船が木造船を発見。通報を受けた苫小牧海保がダイバーを投入し転覆状態の船を調べたが、乗組員は見つからず、西港へえい航。南埠頭(ふとう)に引き揚げてさらに詳しく調査したものの、遺留品なども無かったという。

 船体は全長9・76メートル、全幅2・45メートル。船体に黒っぽい塗料が施され、船内に小型エンジンが付いている。船首の両側面には、白地に赤い文字で「598―64912」と識別番号のような8桁の数字が表記され、日本海沿岸に相次いで漂着した北朝鮮籍とみられる木造船と酷似。船尾にはかすれた状態の赤い文字が記されている。

 赤い文字を見た市内の韓国人留学生は「はっきりと解読できないが、ハングルのようだ」と話す。船体の状況を写真で確認した北海道大学水産学部の木村暢夫教授は「現在の日本で木造船はほとんど使われておらず、構造などの特徴から見ても北朝鮮の船ではないか」と分析する。

 陸に引き揚げた木造船は海保の調査を経て、水難救護法に基づき5月22日、地元自治体の苫小牧市へ引き渡された。市は9月8日付で所有者に引き取りを呼び掛ける公告を出し、船を管理している。公告期間の来年3月7日までに所有者が現れなければ、廃棄物として市が処分するが、期限までに持ち主が名乗り出る可能性は少ないとみられる。

 この木造船をめぐっては、船の所有者や目的以外にも謎がある。どのようなルートで苫小牧沖まで流れ着いたのかという点だ。苫小牧海保や苫小牧港管理組合などの関係者によると、発見時に船体に海草の付着を確認したが、船の状態は比較的良好だったという。北朝鮮籍の船だとすれば、太平洋の苫小牧沖へ到達するには、津軽海峡を抜けるルートが考えられる。しかし、関係者は「発見時期からさかのぼれば、冬場に津軽海峡を通過した可能性がある。だが、冬の海峡は荒れるだけに木造船が原型をとどめたまま越えるのは難しいだろう」と推察し、「一体どこから来たのか」と首をかしげる。

 市は、所有者が見つからなかった場合の対応について「木材に海水の塩分が浸透しており、燃やせば焼却炉への影響が懸念される。破砕して埋め立てるかなど具体的な方法を関係部局と協議したい」としている。

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