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苫小牧民報

樽前山へ危機感再認識 群馬県・草津白根山の噴火受け

樽前山が中噴火した場合の被害予想図

 噴火警戒レベルが5段階で最も低いレベル1(活火山であることに留意)だった草津白根山(群馬県草津町)が23日に噴火し、12人の死傷者を出してから1週間が経過。同じくレベル1の樽前山や倶多楽を取り巻く自治体関係者、地域住民も危機感を強める。住民の具体的な避難ルートを定めた計画作りなどが進むが、樽前山は冬季に噴火した場合、「融雪型泥流」が市街地まで押し寄せる危険もある。予期せぬ噴火にも対処できるよう、万全の備えが求められる。

 近年の登山ブームで、2017年は約3万2000人が足を運んだ樽前山。中高年の初心者や「山ガール」と呼ばれる若い女性登山愛好家も増え、冬場も月に100人ほどが訪れているが、札幌管区気象台地域火山監視・警報センターは、山頂の溶岩ドーム周辺で高温状態が続いており、改めて「突発的な火山ガスなどの噴出に気を付けてほしい」と注意喚起する。

 草津白根山は、樽前山と同じ警戒レベル1(噴火後は入山規制のレベル3に引き上げ)で突然、噴火。山の積雪が火砕流の熱で一気に溶け、土砂などを巻き込んで流れ下る冬特有の「融雪型泥流」の被害はなかったものの、苫小牧市危機管理室は「樽前山が中規模噴火した場合、融雪型泥流により市街地に大きな被害が出る危険性が高い」と指摘する。

 樽前山火山防災マップ(ハザードマップ)では、1874年と同規模の中噴火が起きた場合、冬季には山に積もった雪が火砕流の熱で一気に溶け、土や砂などを巻き込んで麓まで流れ下る想定もしているが、千歳市や白老町などもメンバーの樽前山火山防災協議会は、救助は難航するとみる。天候が荒れればヘリを飛ばせず、山岳救助隊が降り積もった雪道を進むため、夏季に比べ時間がかかるためだ。

 樽前山が噴火した場合、被害が大きくなると予想されている地域は、警戒感を強めている。苫小牧市のもえぎ町町内会の甲谷久会長は「改めて噴火の危険性を痛感した。これまで地震や津波に備えた避難訓練はしてきたが、噴火を想定した避難訓練も行政の力を借りて実施したい」と述べた。樽前町内会の鴻野憲征会長は「高齢者が多い地区なので、冬に噴火したら避難が大変になる」と懸念。寒さや積雪による影響も気に掛ける。

 樽防協は現在、住民の避難ルートを定めた具体的な避難計画の素案づくりを進めている。地区別に住民の避難先を指定するなどした内容で今年度末までにまとめた上、18年度に総会で詳細を決定する方針。19年度中に最終的な完成を目指す。

 一方、倶多楽山も噴火警戒レベル1の活火山。札幌管区気象台は「静穏に経過しており、噴火の兆候は認められていない」としているが、登別市は16年度に白老町や道などと協議会を立ち上げ、避難計画の策定を進める。16年10月~3月の冬季シーズンも登別温泉などの観光エリアには観光客が約182万人訪れており、地獄谷などの遊歩道で観光客が取り残されれば、救助が遅れるリスクがあるという。

 樽前山や倶多楽では冬でも登山者や周辺を散策する観光客がおり、道警は▽無理のない行動計画を立てる▽登山技術、体力、経験に応じた山を選ぶ▽登山計画書は家族や職場、警察に提出する▽パーティーで登山する▽防寒装備と余裕のある食料、薬品などを準備する▽通信機器を携行する▽入山前に気象状況の確認をする―など心構えをするよう呼び掛けている。

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