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室蘭民報

八木沼さんがハトムギ産地化を目指す【伊達】

小さな黒い実をつけたハトムギ=昨年10月、伊達市上長和町の八木沼さんの畑で

 伊達市上長和町の農家・八木沼昭一さん(64)が、薬用作物・ハトムギの生産に取り組んでいる。健康に良いとされる成分を豊富に含む。消費者の健康志向を追い風に、産地化を目指している。

 ハトムギは、熟期が早く草丈が短い「はときらら」という品種。美肌などに効果があるとされ、透排水性に優れた土地なら場所を選ばず施肥もわずかで栽培しやすいという。

 市内では八木沼さんただ一軒が生産し6年目。昨季は1・3ヘクタールを作付けし殻付きで約200キロを収穫、主に札幌市内の専門店と伊達市観光物産館に出荷した。

 国内で生薬などに使われる薬草のうち、国産の占める割合は2割程度。製薬会社は大半を中国産に頼っている現状にある。ハトムギは日本漢方生薬製剤協会の加盟社が国内で生産を拡大したい作物の一つに挙げている。

 胆振西部でのハトムギ生産は2013年(平成25年)、八木沼さんと壮瞥町の農家2軒、胆振農業改良普及センター、地元2農協などが連携して試験栽培したのが始まり。土壌病害の発生で作付けが減少する秋まき小麦に代わり、高収益の輪作体系を維持する狙いがあった。畑作農家が既に所有しているコンバインや乾燥機を活用できるため、初期投資を抑えられる利点もあった。

 収穫したハトムギは当初、漢方薬大手ツムラの子会社・夕張ツムラが生薬製造を目指し買い取ったが、有効成分が基準値より高く含まれ、取りやめに。健康食品などとして販売するには精製加工が必要で、壮瞥町の農家は作付けをやめてしまった。

 八木沼さんは持ち前の加工技術を生かし、粉末や粒に加工したハトムギを市観光物産館で地道に販売したところ、シニア野菜ソムリエとして活躍する萬谷利久子さんの目に留まった。国産のハトムギを求めていた札幌市の日本茶専門店・玉翠園との商談に結び付いた。同社は殻をむいて精製した実を焙煎(ばいせん)し、グラノーラとして商品化。売り上げを年々伸ばしているという。

 需要の高まりを受け今季は作付面積を2ヘクタールに増やす計画で昨年、専用の殻むき機を導入、品質をより高めた。八木沼さんは「農業人として失敗は覚悟の上。どうせやるなら簡単にまねできないものをやろうと考えた。加工は大変だが、面白みもある。将来は伊達を薬草の産地にしたい」と夢を描いている。

 ハトムギの加工品は、観光物産館で販売している。グラノーラ(100グラム)756円、ハトムギ粉(100グラム)180円、ハトムギの粒(200グラム)500円。問い合わせは市観光物産館、電話0142・25局5567番。

観光物産館で販売しているハトムギの加工品

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