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函館新聞

「居酒屋兆治」ロケ地巡る 菅原さんがガイド【函館】

高倉さん演じた英治の居酒屋「兆治」などがあった赤レンガ倉庫の一角で説明する菅原さん(中央)

 道立函館美術館は9日、追悼特別展「高倉健」に合わせ、高倉さん主演の函館ロケ作品「居酒屋兆治」(1983年、降旗康男監督)の撮影地を巡る「ロケ地てくてくツアー」を開いた。函館市民映画館シネマアイリスの菅原和博代表が案内役を務め、同作品など映画に描かれた函館について解説しながら、高倉さんの足跡をたどった。

 作品は、造船所を辞め、赤レンガ倉庫の一角で小さな居酒屋「兆治」を営む高倉さん演じる英治と、故大原麗子さん演じる昔の恋人さよとの心のすれ違いを描いた。田中邦衛さん、故伊丹十三さん、2月に亡くなった左とん平さんら名優らが脇を固めた。30年以上が経過しているが作品は色あせることなく、観光都市として整備が進む直前の函館が随所に登場し、現在との対比も楽しめる。

 ツアーには約20人が参加。天候の影響で一部を変更し、特別展鑑賞後に、大町から函館朝市に向けてロケ地を巡った。当時、末広町で喫茶店を経営していた菅原さんは「撮影を何度も見に行った。スタッフが70~80人もいて、散水車で派手に雨を降らせるシーンでは映画を撮るのはお金もかかると思った」と話した。

 金森赤レンガ倉庫では、ちあきなおみさんが演じる峰子の店があった周辺から「兆治」の場所を眺め、菅原さんは「ちあきさんの函館弁が一番巧みで、歌手で耳がいいからうまく話せたのでは」と紹介。七財橋は、タイトルバックのほか、雨の中で橋の下で泣くさよに気づかない英治が橋の上にいるという象徴的なシーンが撮影された。菅原さんは「この映画を成立させたのは大原さんの危うい美しさ。このような女優が少なくなった」と話した。

 参加した市桔梗町の坂井滋夫さん(69)は「任侠映画ではなく『海峡』などの健さんが好きだった。説明も良く、このようなイベントはどんどんやってもらいたい」と満足した様子。広島県大竹市から参加した会社員、浜辺佳幸さん(46)は「高倉さんにはほかの役者さんにはない魅力があった。函館は初めてですが、普通の観光にはない視点で楽しめた」と話していた。

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