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室蘭民報

宮蘭フェリー就航100日前“笑顔同舟”受け入れ準備【室蘭】

宮蘭フェリー航路の開設まで100日となる中、室蘭市内では各種準備が進められている

 室蘭市と岩手県宮古市を結ぶ川崎近海汽船(東京)のフェリー航路開設(6月22日)まで、きょう14日で残り100日となった。物産展や観光パネル展で節目を盛り上げる。川崎近海汽船は宮蘭の強みとなる復興道路の優位性を荷主にPRする事業を検討中。団体旅行の受け付けは好調だ。両市は予算案に歓迎事業費やツアー造成補助などを盛り込み、待望の就航へ準備を急ぐ。

物産展を開催

 室蘭市は14、15の両日、中島町のふれあいサロンほっとな~るで、宮古市物産展を開催する。午前11時~午後4時。宮古・菱屋酒造店の地酒も初めて販売。人気の田老産ワカメ詰め放題やめかぶ生姜(しょうが)漬けなど12品を一品500円前後で販売する。

 宮古港フェリー利用促進協議会は14日、100日前記念の特注クッキーを、宮古市内のスーパーで無料配布する。フェリーなどを描いた直径9センチの大型サイズで、室蘭で開く物産展でも50枚を限定販売(300円)する。

 胆振総合振興局と岩手県沿岸広域振興局宮古地域振興センターが連携し、両市周辺の観光地をPRする就航記念パネル展を14日から、相互の庁舎で開催し、機運情勢を図る。

 室蘭市は当初予算にフェリー関連経費として544万円を計上した。宮古市も市民対象の「市民号」運航補助経費や、ツアー造成事業者へのインセンティブ(販売意欲を刺激する施策)経費を盛った。

385本の「小旗」

 室蘭では第1便受け入れへ準備が加速する。室蘭西中吹奏楽部が岸壁で演奏する中、市民が宮古に語呂合わせした385本の小旗で歓迎する計画を進めており、小学生らが小旗作りに協力して就航を待ちわびる。

 地元室蘭の栗林航空サービスは5日から、往復フェリーの旅行商品の販売を開始した。3日間と4日間のツアーで定員各40人だが、3日間は完売の状況で、市民の関心の高さを証明した。

 室蘭市勤労者共済センターはこれに呼応して、ツアーに参加する会員への助成事業を展開。今後も“開設特需”が落ち着いた段階で「利用促進への会員助成事業を検討している」(松原昭夫専務)。

 4月のダイヤ改正で、入江のフェリーターミナルに拠点を設ける道南バス(室蘭)は、都市間(札幌)や市内・郊外のうち9路線の乗り入れを計画し、道運輸局に申請中だ。県の旅行会社が造成した道内ツアーの配車も数本決まった。

三陸復興道路

 川崎近海汽船によると、旅客は「今のところ、6月いっぱい順調に入っている」。室蘭発、宮古発ともに平均すると1、2団体が利用する見通しで、新航路についての周知が進んできた。

 貨物は利用可能性のある荷主の絞り込みに入り、金額交渉など詰めの作業に当たる。苫八を利用している荷主からは「トライアル的に使いたい」との話も寄せられており、定着へ営業をかける。

 新航路の持ち味の一つが、整備中の三陸復興道路への接続だが、リサーチでは認知度に温度差があった。課題解消へ航路活用を検討する関係者が実際に復興道路を体験する事業の検討にも着手している。

 川近の岡田悦明部長は「旅客や荷物確保、施設整備などの諸準備は、いずれも順調に進んでいる。今後も引き続き、復興道路を含めトータルでの利点を訴え、安定運航を目指していきたい」と話している。

陸自幌別駐屯地も歓迎

幌別駐屯地の部隊の有効な移動手段としても期待されている宮蘭航路(合成写真)

 陸上自衛隊幌別駐屯地が、川崎近海汽船の宮蘭フェリー航路開設を歓迎している。迅速な対応が求められる災害派遣時や道外訓練時の有効な移動手段となるからだ。道内施設科部隊の中核となる13施設群を抱える同駐屯地は、年々果たす役割が高まる。河口弘幸司令は「近隣の航路開設は非常に有利」と話している。

 道内の部隊が海路を使う場合、海上自衛隊の輸送艦や民間のフェリーなどが利用されている。東日本大震災では米艦で移動した例もあった。北部方面総監部(札幌)がルートの選定を行うという。

 フェリーを活用する場合として「まず災害派遣での車両・人員輸送」が想定される。熊本地震では幌別からも車両14台と伴う人員が投入された。東日本大震災では車両50台が苫小牧から青森入り、陸路被災地へ向かい、がれき除去などに当たった。

 また、毎年道外での訓練も実施されており「年間1、2回はフェリーによる移動が行われている」。18年度はまだ未定だが、これまでは福島県や九州での訓練に参加、移動にフェリーを使った実績がある。

 幌別から輸送される車両としては、「3トン半」と呼ばれるダンプやトラック、重機を載せる必要がある場合はトレーラーなども考えられるという。

 船社側も自衛隊の利用を当然視野に入れている。寅谷剛常務は「毎年、幕僚長にあいさつに伺っているが、先日は航路新設が話題になり、非常に関心をもたれていた」とのエピソードを明かした。

 同社の苫小牧―八戸航路でも相当数の自衛隊関連の輸送が行われている。宮蘭の場合は新航路のため、自衛隊としてはデータ収集の観点からも利用が重要となり、移動訓練を兼ねた輸送が行われる可能性もある。

 赤沼宏社長は「広い駐車場によるスムーズな積み込み、中距離による休息時間確保は部隊にとっても利点。災害時には部隊利用が優先されることになるが、スペース融通などで協力したい」との方針を語った。

 河口司令は「道内部隊の移動に海路は不可欠。現状は複数航路ある苫小牧の利用が中心となっているが、新たな選択肢ができることは運用上も非常に大きい」との意義を説明している。

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