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室蘭民報

製鉄病院と室蘭、登別消防本部が救急患者の心電図伝送【室蘭、登別】

心疾患の救命率向上にもつながる「クラウド型12誘導心電図伝送システム」の試験運用を前に、操作方法を確認する関係者ら=11日、製鉄記念室蘭病院

 製鉄記念室蘭病院(前田征洋病院長)と、室蘭、登別両市の消防本部は、心疾患の診断に不可欠な「12誘導心電図のデータ」を救急搬送中に取得し、モバイルを使って医療機関に伝送するシステムについて、16日から試験運用(実証実験)を始める。道内では初の取り組みという。不安定狭心症や急性心筋梗塞など、突然死との関連が高い心疾患の救命率向上に期待が集まっている。

 このシステムは、総合医療機器グループ・メハーゲングループ(本社福岡市)が開発した「クラウド型12誘導心電図伝送システム」。救急出動した現場で、救急隊員らが患者の心電図を測定すると、データがサーバーに伝送され、医師らがサーバーのデータを閲覧。症状を確認したり、診断や治療方針の決定、治療チームの招集、手術室の準備などが可能になる。

 このため、発症から6時間以内に治療を受けることができれば、心臓のダメージを最小限にとどめることができるといわれる急性心筋梗塞や、迅速な対応が求められる不安定狭心症などの心疾患で、「早期の救命や社会復帰率の向上が大きく期待できる」(高橋弘循環器内科科長)。さらに、静止画や動画送信もできるため患者の表情などの確認が可能だ。

 このシステムは、すでに横浜市や岩手県宮古市などで導入されているが、道内での運用は初。当面は、室蘭、登別両消防本部の救急車各1台の計2台で試験運用する。

 11日夜には、室蘭市知利別町の同病院がん診療センターで、同システムの説明会・模擬訓練が行われ、同病院スタッフや両市消防本部の担当者ら約60人が操作方法などを確認した。

 西胆振医療圏(西胆振管内3市3町)では現在、循環器疾患が疑われる救急患者の大半が同病院に運ばれている。このうち、室蘭、登別両消防本部の救急隊が昨年、同病院に搬送した循環器疾患が疑われる患者は約480件。前田院長は「西胆振医療圏の救急体制をより強固にし、救命率向上につなげたい」と話している。

 同病院と室蘭、登別両消防本部では「12誘導心電図伝送システム」の設置と運用に関する協定も締結する方針だ。

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