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日高報知新聞

講演で先住民の歴史学ぶ シベチャリ武四郎まつり

苫小牧アイヌ文化保存 会による「樽前おろし リムセリムセリムセ」 =苫小牧地区オリジナ ルの輪踊り=

【新ひだか】新ひだかアイヌ協会(大川勝会長)主催の「第6回シベチャリ武四郎まつり」が12日、静内真歌のシャクシャイン記念館で開かれ、アイヌ文化講演会や古式舞踊の文化交流会などが行われた。

 武四郎まつりは、アイヌと深い交わりを保ちながら、幕末から明治初期にかけて6度にわたって北海道を踏査した松浦武四郎(1818~1888年)の功績をたたえる行事。武四郎はシベチャリ(静内川)地域の調査で3度にわたり静内地区を訪れており、同協会は平成24年に武四郎の記念碑を真歌公園に建立している。

 まつりには新党大地の鈴木宗男代表、国民民主党の山岡達丸衆議、藤沢澄雄、金岩武吉両道議ら約110人が参加。開会に先立ち、神々へのカムイノミ(始まりと終わりの報告)を挟んでイチャルパで武四郎と先祖を供養した。

 開会で大川会長は「シベチャリ武四郎まつりは松浦武四郎の功績をたたえる日として立ち上げたが、今後も引き続きアイヌ文化全般を考える勉強会などを行い、継続的な事業として取り組みたい」とあいさつ。

 アイヌ文化講演会では、独立行政法人国立科学博物館(東京都)の副館長・人類研究部長で日本人類学会長の篠田謙一さんが「DNAで解明する北海道先住民の歴史」の演題で講演。

人骨から分かるアイヌの生活などについて講演する篠田さん

 主に人骨を用いて人類の起源と集団の成立について研究する「自然人類学」を専門としている篠田さんは、「人骨や体つき、DNAは先住民の成立の歴史を知る手掛かりを提供する。特に文字の記録のない社会では、自然人類学の知見なしには集団の成り立ちを正確に知ることはできない」とし、「最近のDNAを用いた研究で、人類集団の成立のシナリオが詳細に語られるようになっている。また、過去の社会を復元する研究も行われるようになっている」と説明。

 奥歯の先などから採取できるDNAを調べることで、外見の特徴から血液型、酒の強さまで分かり、「アイヌ人骨の分析を進めると沿海州、カムチャッカ半島(極東ロシア)の集団と似ていることも分かった」と説明。「本土日本の周辺集団ではなく、北東アジアの先住民であるという視点が重要」と話し、5~10世紀に栄えたオホーツク文化人が最も大きな影響を与えているという考えを示した。

 その上で、「人類学は人骨を使うということで、それに対して否定的な方もいる。私たちも敬意を失わないように研究をしていこうと考えているが、人類学の研究がアイヌの皆さんにどう還元されるかが重要。それを今までさぼってきたことがあって今日の状況を招いていると反省している」とした。

 さらに、胆振管内洞爺湖町の入江貝塚から出土した推定18歳の男性の人骨が難病と推測される病気で腕や足の骨が異常に細くなっていることについて、「生活が非常に苦しい当時の社会にあって、まったく生産に関与できない人が生きることを許されていたという証拠になる。この人をケアする人がいたからある程度の年齢まで生きていくことができた。古代の社会のありようは、骨が出てきて私たちの前に初めて提示される。私たちは当時の社会がどうだったのか考えることができるし、今の私たちの社会にとって重要なことを考える機会にもなる」と人骨の研究の意義について話した。

 講演会後は、松浦武四郎記念碑の前で登別古式舞踊保存会フンペと苫小牧アイヌ文化保存会による古式舞踊の交流会のほか、アイヌ料理の試食会、平成29年度公益財団法人アイヌ文化振興・研究推進機構アイヌ文化奨励賞を受賞した高橋三三五さんの祝賀会などが行われた。

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