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函館新聞

亡き妻が背中押した 佐藤さん函館マラソン完走

正子さんの遺影の前でハーフマラソン完走の記録証を手にする佐藤守彦さん

 亡き妻が背中を押してくれた―。函館市堀川町の元高校教諭、佐藤守彦さん(76)は、1日にあった「2018函館マラソン」のハーフマラソンを2時間35分31秒で完走した。昨年末に49年間連れ添った妻正子さん(享年69)が逝去、自身も右足に痛みを抱え2年間大会に出場できなかったが、妻の思いを胸にマラソン復活を決意。今年の函館マラソンで再スタートを切った。  佐藤さんはマラソンが趣味で、フル、ハーフ各88回完走することを目標にしてきた。しかし、2016年7月、長年の練習や大会出場の疲労がたまって右足のかかとを痛め、走れなくなった。16年7月3日の札幌・豊平川市民マラソンでフルマラソンを完走後、大会から遠ざかっていた。  正子さんは昨年12月30日、胃がんのため帰らぬ人となった。生前、佐藤さんが走れないことを案じ、足が早く治るよう願っていたという。妻の死後、佐藤さんは「生前は妻の望みをかなえられなかったが、妻の気持ちを考えると、このままでは駄目。一歩踏み出して走らないと」と一念発起。けがを乗り越え、走り始めた姿を天国の妻に見てほしいとの考えで、再びマラソン挑戦を決心した。  函館マラソンのハーフは、正子さんと一緒に計9回走った経験がある思い出深いレース。右足の痛みはまだ残っていたが、湿布を張るなど万全の準備をしてレースに臨んだ。  本番は、正子さんの遺骨と遺髪を、ウエストポーチにしのばせて豪雨の中を走り抜けた。1キロのタイムは、普段の練習より1分以上早い7分台で快調にペースを刻んだ。しかし、15~16キロ地点で急に足や体全体が重くなり、8分台にタイムが落ちて限界という言葉が頭をよぎったが、17キロ以降は再び元気を取り戻した。佐藤さんは「妻が私のそばで支えてくれたり、元気づけてくれたりして良いペースで走ることができた。苦しいとき、一緒に走ってくれた」と振り返る。  ハーフを完走し、自信を取り戻した佐藤さん。次は10月8日に行われる「新潟シティマラソン」のフルマラソン完走を目指す。佐藤さんは函館マラソンから帰宅後、正子さんの遺影に向かって「まこちゃん(正子さんの愛称)、完走できたよ、ありがとう。今度はフルを走るから見守っていてね」と静かに手を合わせた。

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