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室蘭民報

ベニヤ板に描く美女画、やまうちさんが初の個展【伊達】

伊達美協公募展の奨励賞受賞作を前に絵の魅力を語るやまうちさん

 ベニヤ板にクレヨンを使って描く美女画の創作に取り組む、やまうちてつ(山内哲)さん(65)=伊達市舟岡町=の初の個展が、市内大町の大町ミニギャラリーで開かれている。突然の父の死や母の介護など、現実と向き合う中で独自の作風を編み出した。昨年の伊達美術協会公募展で奨励賞を受賞し「今は生きがいを見つけることができ幸せ」と実感を込める。

 やまうちさんは美唄市生まれ。苫小牧高専在学中、両親が伊達に移住した。卒業後上京し、重電最大手に就職。金型の設計に従事したが5年で辞め、35歳で化学系業界紙の記者に。51歳になった2004年(平成16年)、伊達に戻った。きっかけは父の孤独死。入院中だった母を実家に迎え、一人介護に向き合う生活が始まった。

 絵との出合いは、兄嫁が母のために贈ってくれたクレヨン鉛筆。小、中学校のころ、絵を描くのが好きだったことを思い出す。介護を始めて2年がたっていた。部屋を見回して目に付いたベニヤ板にクレヨンで直接描く独自の方法を考案する。昨年の美協公募展では、カラフルな色使いと画材の異色さが際立ち、話題を呼んだ。

 題材はモーターショーなど、見本市を華やかに彩る女性たち。東京時代、趣味のカメラで撮りためた写真を基に介護の傍ら、この12年間で描いた作品は120点を超えた。「自分で見ても楽しい絵だと思います。自分が芸術に片足を突っ込んでいると思うと気持ちまで豊かになります」

 母は5度の入院を繰り返した後、亡くなった。「介護をやり遂げたという思い。後悔はありません」

 今回、美協会員の正岡博さんに個展を開くよう誘われた。気後れしたが、奨励賞の受賞が背中を押した。「家の中で1人で描いてきて、母や近所の子が見てくれる程度でした。成果を個展にして公開できるのが大きな喜び」とほほ笑む。全道規模の展覧会で入賞したい、と新たな目標もできた。「今は続けていくしかない」と言葉を結んだ。

 14日まで。午前9時~午後5時(最終日は午後3時終了)、入場無料。

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