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苫小牧民報

厚真・土砂災害現場ルポ 自衛隊や消防、警察、24時間懸命の救出活動

最後の捜索現場で懸命に安否不明者を捜索する隊員ら=9日正午ごろ、厚真町幌内地区

 6日午前3時8分ごろ、胆振東部を襲った巨大地震。最大震度7を観測した厚真町では、集落の住民が土砂崩れにのみ込まれた。道内外から集まった自衛隊や消防、警察による24時間体制の懸命な捜索活動で10日未明までに安否不明者の全員が見つかり、36人の死亡が確認された。安否不明者の捜索に当たる関係者の姿や現場を取材した。

 ■緊張が続いた捜索現場

 厚真町幌内地区。何も変わらない日々が続いていたなら、水田が広がる山合いの谷間には黄金色の稲穂がこうべを垂れ、優しい風を受けてたおやかに波を打っていたことだろう。しかし、6日未明の烈震が自然豊かな風景を一変させた。

 9日午前。自衛隊の協力の下、記者は現場付近に入った。無数の倒木や土砂の間を乗り越えながら近づいた捜索現場では、数百人の警察、消防、自衛隊の隊員らが懸命に捜索作業に当たっていた。現場までの道のりは水気を含んでぬかるみ、泥が足にまとわり付いて重い。遠くに見えるのは土砂を運び出す数台のショベルカー。懸命に土砂を掘り出す隊員の様子をレポートしようと、報道機関と見られる数機のヘリコプターが上空で旋回している。

 現場に近づくと、作業を指揮する道警担当者が「雨が降って二次災害の危険がある。避難ルートを確保するため、もっと後方に下がって」と制止された。

 脇道のあぜ道へと移り、200メートルほど先の捜索現場を見ていると「ピーピーピー」と笛を吹く音が2度、繰り返された。重機が止まり、作業者全員の視線が一点に集中する。行方不明者が発見されたのか―。離れていても張り詰めた緊張感がさらに高まる様子を感じる。一刻も早く発見を―。隊員らの共通の思いが現場一帯を包んでいた。

 ■土砂に埋もれた遺品

 地震発生以降、本紙取材陣は連日、町内6地区の土砂崩れ現場で取材に当たった。捜索活動の状況は厳しく、隊員らが交代しながら24時間体制で土砂を撤去。深く埋もれた土の中から住宅の破片やふとん、衣類など生活用品などが見つかると、スコップや手で土を掘り起こしながら行方不明者を捜した。夜間は投光器を幾重にも設置して作業を継続。捜索に当たる自衛官は、土で顔を真っ黒にしながら「どこにいるのか見つけられない」と疲労をにじませながら悔しそうに話した。

 男女2人が見つかった吉野地区では、土にまみれたがれきの中から遺品を集める姿もあった。ある遺族が探し出せたのは大型ビニール二つ分。胸に抱くようにしながら言葉もなく現場を去った。

 同地区で弟の土田健二さん(63)を亡くした苫小牧市の土田昌和さん(65)は、親の位牌(いはい)や遺品が土砂に埋まったまま。「弟が見つかって良かったが、こんな事態では知人を呼んで葬式もできない。仕方なく先に火葬して骨にします」と話した。

 全国各地から土砂崩れ現場に駆け付けた自衛官など関係者は約8000人。夜を徹した捜索で、最後の安否不明者1人が見つかったのは地震発生からほぼ4日たった10日未明。あまりの惨状に、捜索が終了しても自衛官など関係者に安堵(あんど)の表情はなく、ただ真っ直ぐに前を向きながら現場を引き上げていた。

(胆振東部地震取材班)

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