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室蘭民報

室蘭シャークスが5年ぶり制覇、全国出場決める【札幌】

5年ぶりの優勝を決め、胴上げされる磯貝剛監督と選手たち

 第44回社会人野球日本選手権北海道地区予選は最終日の24日、札幌円山球場で代表決定戦が行われた。室蘭シャークスがJR北海道硬式野球クラブに3―1で逆転勝ち、5年ぶり4度目の栄冠を飾った。シャークスは初戦を落とし、敗退の瀬戸際に立たされてからナインが奮起。チーム一丸となっての3連勝で京セラドーム大阪で11月1~13日に行われる全国出場を勝ち取った。最高殊勲選手賞には下川原駿投手が選ばれた。

 シャークスは初回に先制を許したが、その後は3投手の継投で追加点を許さなかった。八回2死一、二塁から比嘉泰裕選手の2点適時打で逆転した。

室蘭シャークス3―1JR北海道硬式野球クラブ

【室蘭シャークス―JR北海道硬式野球クラブ】シャークス8回、2死一、二塁で逆転タイムリーを放つ比嘉

 ベテランの一打が勝利を呼び込んだ。八回2死一、二塁で打席に立ったのは比嘉。6球目の外角寄りの直球を迷わず振り抜いた。打った瞬間「ライト線に落ちる」と直感した通り、打球は右翼手の右を抜き、走者2人が生還する二塁打。仲間が見守る三塁側ベンチから大歓声がこだました。

 入部11年目は野原、瀬川に並ぶ最年長。磯貝剛監督が「侍のよう」と評するほど野球一本に取り組み、7~9年目は主将を務めた。近年はスタメンを外れる試合もあり、これが今大会の初打席。優勝が懸かる重要な局面にも「何とかチームに貢献したかった。隙を見せずに自分の仕事をするだけ」。揺るがぬ信念を殊勲打につなげた元主将に、磯貝監督は「芯を貫き通した。魂の一打」と称賛した。

 最高殊勲選手に選ばれた右腕の下川原は三回2死一、二塁の場面から登板。最初の打者を空振り三振で仕留めて雄たけびを上げるなど随所で気迫あふれる姿を見せた。

 初日の北海道ガス戦で逆転3ランを浴びて降板。「とんでもないことをしてしまった」と自責の念にかられ、これまで一番磨いた球は何かを自問した。出した答えはストレート。大一番で5イニングを投げ、JRの打者16人に許した安打は2本。球速は自己最速の149キロをマークした。「困った時だからこそ原点に返った。今までやってきたことは無駄じゃなかった」と喜びを体いっぱいに表し、仲間と抱き合った。

 現主将の小屋畑尚哉は「この4年間、優勝できなくてずっと苦しかった。素直にほっとしている」。崖っぷちからはい上がっての栄冠に涙が止まらなかった。「野球が楽しいというより苦しかった。やっと胸を張って室蘭に帰れる」と、歓喜に沸くナインを背に表情を緩めた。

 ▽代表決定戦
シャークス 000 010 020|3
JR北海道 100 000 000|1

「この瞬間のために…」就任3年目、涙の磯貝監督

【室蘭シャークス―JR北海道硬式野球クラブ】5イニングを無失点で切り抜けたシャークスの下川原

 「この瞬間のためにやってきた」。喜びを爆発させるナインを見守り、磯貝剛監督は涙をぬぐった。監督就任3年目。「バッテリー中心の守りの野球」を掲げ、守備力の強化に重点を置いた。元プロのピッチャー3人が加わるなど投手陣は充実。しかし結果には結び付かず、敗戦のたびに「選手の力を発揮させられなかった自分のせい」と責任を背負い込んだ。

 北海道ガスに敗れた後のミーティングで「もっと勝負根性を見せてくれ」とナインにげきを飛ばした。大会期間中、選手に厳しい言葉を投げ掛けるのはこれが初めて。戦いを終えたナインは「あのままでは終われなかった」と口々に繰り返した。

 代表決定戦では、投手陣が初回1失点しか許さない力投。打線は好機での決定力が課題だったが、JRとの2戦では逆転に成功した。磯貝監督は「(大会期間中)チームが変わった。あの負けがあったから勝てたのかもしれない」と振り返った。久しぶりの大舞台に向け「これまで全国では勝てていない。予選と同じ気持ちで向かっていきたい」。確かな成長を遂げた選手と共に次の1勝を誓った。

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